あしなが育英会 アフリカ遺児・教育支援「1日1ドルの世界」

2012-11-01

「あしながインターンシップ」について

 本年からあしながウガンダでは、1か月のインターンシップ制度を始め、第1号として英国オックスフォード大学院生のマイケルさんと米国ヴァッサー大学生のコンテッサさんを受け入れた。「あしながウガンダ」のレインボーハウスで日本人遺児学生らと1か月滞在し、日本や欧米の大学を目指すウガンダ遺児学生や日本の遺児研修生らに英語の指導をしてくれた。
 2人の存在は、ウガンダ遺児らだけでなく、日本の遺児研修学生にとっても非常に大きかった。2人が口をそろえるのは、「アフリカの遺児たちの多くが、環境と機会があれば、大学に進学できるポテンシャル(可能性)を持っている。だからこそ、引き続き欧米から大学生や院生のインターンシップ生をウガンダに送り、遺児たちの潜在能力を引き出すお手伝いをしなければならない」。
 2人は大学に戻り、ウガンダでの経験を語ると同時に、インターンシップ生を毎年送れるよう両大学に働きかけたいという。今後も短期(1か月)、長期(1年)で受け入れて行きたい。



ユニークな環境可能性広がる

 あしながウガンダでのボランティア活動(インターンシップ)として、7月中旬から8月下旬までの約1か月半、私はアメリカの大学を受験する予定のあしながウガンダの遺児学生の英語家庭教師を務めました。
 あしながウガンダでのボランティア活動は、私自身にとっても大変豊かな体験となりました。ヴァッサー大学の学生にとって非常に魅力的だと思います。
 教育、開発、NGOに興味がある学生にとってもすばらしく、また、日本、ウガンダ、ドイツの3つの国の人たちが一緒になって働いているあしながウガンダは、とてもユニークな環境です。
 彼らウガンダの遺児たちは、親を亡くし、金銭的な理由で優秀な学校に通っていたわけではありません。また、ウガンダとアメリカの教育の内容が大きく異なるため、アメリカの大学入学に必要な試験は、あしながウガンダの学生たちにとって大きな挑戦です。
 それでも、きちんと勉強し、早い段階から準備をすれば、彼らの可能性も広がります。
 今後も、アメリカの大学受験を目指すあしながウガンダの学生たちのためにヴァッサー大学の学生をインターンシップとして派遣できるよう、米国帰国後、大学や他の学生にぜひ勧めていきたいと思います。
(米国ヴァッサー大学 コンテッサ・ムウェジ(23))



エイズ遺児らの向上心を確信した

 この1か月間、あしながウガンダでボランティアでインターンさせていただいた。大学を卒業して2年間、イギリスで働き、その後、JET(The Japan Exchange and Teaching Programme)プログラムで4年半、福井県に住んでいました。
 日本滞在中、「スマイル・キッズ・ジャパン」という児童養護施設でのボランティア活動を促進する団体を立ち上げました。東日本大震災・津波発生後は仙台に引越し、「リビング・ドリームズ」という団体を通して東北の児童養護施設で働いていました。

専門は社会政策学
 昨年10月にイギリスに戻り、オックスフォード大学で現代日本学の修士号を取得しました。児童養護施設の子どもたちにとって、大学に進学することがいかに大変なことか、ということに焦点を置きました。
 児童養護施設の子どもは11・9%しか大学に進学せず、多くが途中で辞めてしまいます。ちなみに、日本全国では54%が大学に進学します。今年、もう一つ修士号を取得し、その後、社会政策で博士号を取得する予定です。博士号では、児童養護施設を出た若者にまつわる貧困や社会的疎外の問題に注目します。

玉井会長との出会い
 今年5月、研究のために来日した際、玉井会長にお会いする機会を得ることができ、様々な背景を抱えた子どもにとって大学に進学する大変さについてインタビューさせていただきました。その際、あしながウガンダのことや「100年構想」についてもお話を聞き、サハラ以南の遺児学生をオックスフォード大学に留学させる可能性を探るお手伝いをさせていただくことになりました。
 9月上旬、オックスフォード大学で玉井会長や岡崎理事らと再会し、当大学院のアフリカ学のディレクターや教授らと会談を持ちました。会談後、玉井会長にいつかウガンダに行きたいことを伝えると、「すぐにでも行きなさい」といわれ、3日後にはウガンダに向けて出発していました!

英語力向上に支援
 あしながウガンダで過ごした時間は大変すばらしく、ウガンダのみなさんが非常によくしてくれました。ウガンダ及び日本のスタッフや学生のみなさんからいろんな刺激を受けました。
 あしながウガンダでは、毎日仕事があり、私は、高校を卒業しアメリカや日本の大学を受験しようとしている学生らの準備を手伝わせていただきました。また、テラコヤ生徒の英語の能力向上のため、英語でのゲームの時間を持ち、とても楽しかったです。

ウガンダ学生に期待
 あしながウガンダでの仕事を通して、ワークハードするウガンダの学生の姿に感心しました。彼らはいろいろな意味で厳しい人生を送ってきており、通っていた学校も決してレベルの高い学校ではありませんが、学生たちは非常にやる気があり、頭もよいです。私がここにいた短期間でも、彼らは多くを学びました。私がよい教師だったからではなく、彼らにやる気と向上心があったからです。
 現在の留学候補生たちが日本やアメリカの大学に進学することができたら、彼らは大学ですばらしい結果を出し、いずれウガンダに大きな変化をもたらす、と確信しています。
 厳しい環境の中でここまで来られたこと自体も大きな成果ですし、サポートがあれば、更に大きな成果を出せると思います。将来、彼らは教師やエンジニア、弁護士や政治家になることを夢見ており、海外の大学で学んだことはウガンダにとって利益になるでしょうし、ウガンダと彼らの留学先の国とのよき関係にも大きく貢献するでしょう。
 私自身を含め、日本やドイツ、アメリカやイギリスの学生たちも、あしながウガンダでのボランティア活動を通して、様々なことを学べます。私にとってもここでのボランティア活動は大変貴重な機会となりました。ウガンダのことについて学び、アフリカの発展に関する問題、私の生徒たちをはじめ、親を亡くした子どもたちが抱える問題についても学びました。

インターン学生送る
 私は今までも海外に住んだことはありますが、ここでのボランティア活動は新しい文化、新しい世界を理解するのに大変貴重な場だと思います。また、日本でも「国際人」が求められる中、日本の学生がここでボランティア活動をしていることも非常に有意義なことだと思いました。
 今回のボランティア活動が大変価値のあるものだと感じておりますので、今後も引き続き、オックスフォード大学から1人か2人の学生をあしながウガンダに毎年、派遣できるようにしたいと思っています。オックスフォード大学の学生、ウガンダの学生の両方にとってすばらしいことでしょう。
 玉井会長にウガンダにお招きいただき、大変光栄に思っています。休みの日には、国立公園やナイル川の源流を見に行くこともできました。多くの人たちにあしながウガンダでのボランティア活動を推薦します。ウガンダの子どもたちは大きな可能性を抱いており、そんな彼らの可能性を生かすお手伝いができ、大変うれしく思います。
 本当にありがとうございました。
(英国オックスフォード大学 マイケル・M・キング(30))