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英国下院での「あしながロンドン事務所」開所式に75人

2017年12月12日 [ニュース/コラム]

パリ・ロンドンの2大拠点定着で欧州へのAAI生躍進に弾み

 9月25日のパリ政治学院(シアンスポ)のミオン学長招待による玉井義臣会長講演にひき続き、11月20日に行われたロンドンの英国下院(House of Commons)の1部屋(80人収容)を借りての「あしながロンドン事務所」のお披露目式は、大きなインパクトをヨーロッパ関係方面に与えました。

 「アフリカ遺児高等教育支援100年構想」の戦略的拠点が英仏の首都に定着し、AAI生(100年構想生)がこれからはロンドン・パリを経由して、ヨーロッパ全土の有力大学に留学するルートが確立します。5期生以降のAAI生のヨーロッパ進出が間違いなく加速するでしょう。あしなが育英会のアフリカ青年への教育支援が世界から一層注目されることに間違いはありません。

 (ロンドン事務所所在地:Daiwa Foundation Japan House 13/14 Cornwall Terrace London NWI 4QP)



 



玉井会長(前列中央)、下村副会長(前列左から2人目)、工藤事務局長(2列目左から3人目)、マイケルロンドン事務局長(前列左)、富永ヨーロッパ支部長(前列右)とイギリス並びにアイルランド留学中の「100年構想」生たち



下院(庶民院)は日本の衆議院に相当し、会場の利用は「100年構想」に共感したデイビッド・ウィレッツ卿(英国貴族院議員、大学教授、元科学担当大臣)の格別の取り計らいによって可能となった

鶴岡駐英大使、欧州要人、在英アフリカ大使ら多数出席

 開所式には、来賓として、鶴岡公二駐英大使、ヨーロッパでの「100年構想」を支援する「賢人達人会」の第1号就任者エリック・トーマス卿(全英国学長会元会長)、デイビッド・ウィレッツ卿(前述)、あしなが育英会のコラボ音楽祭「世界がわが家」を大成功に導いた演出家のジョン・ケアード氏、レソト、ザンビア、タンザニアなどの在英アフリカ大使等、オックスフォード、エディンブラ、ブリストル、SOASなど欧州15大学の関係者など50人が出席しました。

 また、本会側からは、玉井義臣会長、下村博文副会長、工藤長彦事務局長、富永典子理事(あしながヨーロッパ支部長、賢人達人会事務局長)、あしながUK職員、そして、イギリスとアイルランドの大学に留学している「100年構想」生20人中15人など25人が出席し、床面積約300㎡のレセプションルームは祝福と未来に向けた熱気にあふれました。
(*100年構想生数は2017年11月末現在68人。留学国はアメリカ、カナダ、イギリス、フランス、アイルランド、フィンランド、オランダ、ポルトガル、ベルギー、オーストラリア、ブラジル、日本)



 開式の挨拶で、富永典子理事(画像上)は出席いただいた来賓一人ひとりに感謝を述べた後、「2011年に玉井会長とパリで出会ったときが100年構想事業の始まりだったと思います。あれから6年後の今もこのように素晴らしいロンドン事務所開所式にご一緒できるとは思ってもいませんでした」と、感激しながら玉井会長を紹介しました。

来年、再来年と飛躍的な伸びを確信

 玉井義臣会長(画像下右)は次のように挨拶しました。



 「私の母が1962年に交通事故で亡くなったときから私はこの運動を一人で始めました。約50年になります。しかし、一人で始めた運動はたくさんの仲間がすぐ行動を共にしてくれて膨らみ、今日までに10万人の遺児を高校や大学に進学させることができました。

 もう一方で20年前からアフリカの子どもたちに一日も早く勉強の機会が与えられるようにと、先駆的な仕事を始めました。あしなが100年構想事業を英語ではAshinaga Africa Initiativeと言いますが、100年かかってでもアフリカの子どもたちに教育の機会を与え、アフリカを発展させようという大構想です。AAIと覚えてください。今ようやく1期生から4期生68人が世界の大学に羽ばたいてくれています。会場にはイギリスとアイルランドに留学している学生たちがおりますが、私は昨日彼らと話して、留学生が順調に増えていくだろうという確信を持ちました。

 また、賢人達人会はAAIをいろいろな形で指導してくださる方々の会です。本日ご出席のエリック・トーマス卿やジョン・ケアード氏のような賢人達人が今や世界に90人います。道半ばですが、着実に100年構想は前進しており、来年、再来年と飛躍的に伸びていくと確信します。皆さんが今日応援団に加わってくだされば、さらに加速されると思っています」

ガーナに帰って孤児たちのロールモデルになる

 続いて、100年構想生を代表して、ガーナ出身のセナさん(ウエストミンスター大学1年、2020年夏卒業予定=画像下)が次のように挨拶し、共感の拍手がまき起こり、会場が感動で充ちあふれました。



 「私は孤児院で育ちました。6歳になるころには教育を通して自分のアイデンティティをはぐくみ、自分を表現し、自分の住んでいる世界に疑問を投げかけるようになりました。介護者の中で私の母親は誰なのだろうかなどと。学校に行くと友人たちは親のキスとハグでお見送りされていて、それを見るのはとてもつらい経験でした。

 2010年にガーナで孤児院の介護者が子どもたちを非人間的に扱っていることが問題になりました。同じ年に国会議員の前でスピーチをする機会に恵まれ、『孤児院の子どもたちも自分たちに関わる決議に発言権があるべきだ。養子縁組と家族の捜査を通して孤児院から社会への融合を進めていく必要がある。介護者のような守る立場の人間が、ときに虐待者に回ってしまうことをとても残念に思う』と話しました。

 このような機会に恵まれ、私はこの問題に取り組みたいと強く願うようになりました。そしてそのためにも高等教育に進み、私と同じ、あるいはもっと大変な思いをしている子どもたちを支援したいと思うようになりました。高校卒業後は大学に進学したかったのですが、経済的に無理でした。

 あしなが育英会のことを知ったのは、2014年に100年構想が始まったときです。勉強合宿修了後、ロンドン大学の東洋アフリカ研究学院の基礎コースに合格。アフリカを離れて外国で一人で自立して生活をするということに対する恐怖にかられましたが、それは、私の人生を一段階引き上げてくれました。現在、ウェストミンスター大学で法律を学んでいます。ロンドンの学生として手に入る機会は母国のそれとは比べものになりません。ダイナミックで多文化な環境に自分を置くことができ、大学内外で専門家の方々と会い、彼らの経験を学ぶことで法律に関する理解をさらに深め、知識を多角化することができました。ガーナ政府は孤児たちの社会の融合に必要な心理的な支援を十分に提供していません。私は、より質の高い法的枠組みの実施が孤児院の子どもたちの社会復帰には必須だと考えています。大学卒業後は、国家試験を受けて法廷弁護士になり、家族法を専門として孤児院の子どもたちを支えたい。それが私の次世代のための貢献です。私はこれからも孤児たちのロールモデルとして、教育はどんな環境をも変える大きな力を持っているということを教え込んでいきます」

イギリスの大学にとってプライドとパワーの源

 賢人達人を代表して、エリック・トーマス卿(画像下左)が次のように祝辞を述べました。



 「玉井会長から賢人達人就任の依頼を受けてから約5年の月日が経ちました。その間に私は身をもって、あしなが育英会の日本での、そして今では世界での影響がいかに大きいかということを知りました。また、留学生と時間を共にして、彼らが母国の将来に全力を捧げ、将来リーダーになる存在と確信しました。彼らの才能、勇気と志の高さには目を見張るものがあります。どんな大学でも彼らのような学生をキャンパスに迎えたいはずです。

 イギリスの大学にとって、あしながの輪に加わることはアフリカからの一番の頭脳を引き寄せ、その後3、4年で本当の意味で彼らを成長させることになります。知っておくべきことは、彼らは両親がいて裕福だから留学しているわけではないということです。彼らは全く異なる背景を持ち、不利な立場に置かれている学生たちなのです。こういった学生たちは質の高い刺激的な環境に置かれれば輝きを放ちます。彼らのような学生こそが人生をかけて大学での経験を活かしていける学生たちなのです。彼らは将来、大学にとってプライドとなる存在になるだけではなく、素晴らしいネットワークとパワーの源にもなります」

あしながを応援するために集まった

 鶴岡公二駐英大使(画像下)は、セナさんのスピーチを讃え、乾杯の音頭で次のように挨拶しました。



 「大使というのはあしなが育英会のような団体の成り立ちに貢献できるような立場ではありません。あしなが育英会は玉井会長のリーダーシップの下、個人によって成り立っています。一個人の力が10万人もの遺児たちに奨学金を提供するまでに発展したのは驚異的なことで、これが人間のパワーの証拠とも言えます。そして玉井会長は人間という存在をとても信頼しています。だからこそ今も、チャンスのない子どもたちに大きな労力をかけ続けているのだと思います。先ほどのセナさんのスピーチが私たちに示してくれた通りで、その労力は報われていることは証明されたと思います。皆さんも彼女に倣って活躍されることを祈念し、より多くの人の手本となることを願います。今後もあしながの活動を応援するために私たちは今日ここに集まりました。社会は人で成り立っており、個々人に労力をかけることが世界平和に繋がることになります。あしながの今後の繁栄とご列席の皆さまの健康を願って、乾杯」

 その後、鶴岡大使は玉井会長に「できるだけの支援をいとわない。何でも言ってきてほしい」と最大限の応援を約束しました。


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