
杉野 皓己
Koki Suginoあしなが心塾課/首都圏エリア副担当
入社のきっかけ
私にとって遺児とは生涯背負っていくべき私の肩書きであります。負い目だと感じたことはありません。むしろ多くのことを感じ、学ぶ機会を私の人生に与えてきました。 ただ同時に多くの怒りを感じ、自分の人生がさも不幸であるかのように思うこともありました。 しかし、そんな私自身や私の人生に、変化と活力を与えてきたのはいつの日も、「あしなが」という存在でした。 私があしなが育英会に入局したのは子供達に親がいないからという理由で、自らの道を埋め立てないでほしいという思いがあったからです。「学ぶ」ということが人に与えてくれる力を信じて、自分の夢を追いかけてほしい。これらの誰もが持ってきた思いを夢のままでなく、現実にするべく、学生達とともに声を上げ続けることです。これは私にとっての恩送り運動でもあります。 ただの募金活動でもなく、慈善活動でもありません。私が自分自身にも、今までもこれからも「あしなが」に求めるものは、社会に訴え、やむことの無い社会運動を起こしていくことです。確かに支援の輪は広がって今多くの遺児が奨学金を借り、進学する事ができていますが、そこで満足するのもおかしな話だと思います。遺児を取り巻く現状はさほど大きく進歩していません。彼らが思い描く未来が必ずしも自分の夢と志あるものではないからです。まずは、あしながの学生が世界を臨まねばなりません。 私自身ウガンダの海外留学研修生として過ごした1年間は尊いものです。しかしそれを生かしきれていないのも事実です。特に行動力もなく、志をなくしかけて地元の狭い社会で過ごしていた私はその限りある機会を得たにもかかわらず挫折していく自分の人生に諦めを覚えていました。 そんな中、2019年2月地元九州の中小企業で働く私に学生時代から慕ってきたO職員から連絡が入りました。ほんの1時間ほどの話の中で、「うちにきて一緒に働かないか。」という言葉に考える間もなく私の気持ちは決まっていました。 2019年にあしながのOBとして国内の学生や学生時代のあしなが学生募金の同期と言葉を交わす機会があり、国内で過ごすあしながの学生に情熱や想いの強さが足りていないのではと感じました。 情熱や想いだけでは何も出来ません。しかし、私に恵まれた才能や学があるわけでもありません。 ただ一つこの情熱を伝えるために、一生懸命に努力する才能はあります。 言葉の力は計り知れないものだと私は信じています。今まで、つどいでの総合司会、九州での代表の仕事をしてきた中で人に伝えるということがどれだけ難しく、同時に人の人生に影響を与えるかを実感して来ました。 会長はもちろん、あしながを創り上げていらした先輩方にはまだまだ到底及びません。 しかし、その想いを引き継ぎ、新たな力として自分の中に蓄え、伝えていくことが自分のこれからの仕事だと思っています。自分自身が創り上げた仕事をこなしていくことが、将来的なビジョンでもあります。 今まで私に関わり体当たりで一生懸命向き合ってくれたあしながの同志のように私自身もあしながの学生達、その後輩達へと運動を送っていくことが出来る職員になります。 器用な性格ではありませし、まだまだ勉強ばかり日々学生のそばで学生から学ばされています。失敗を重ねず、次に生かし、あしなが育英会にとってなくてはならない人材となるため日々精進していきます。