あしなが育英会とは

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遺児家庭の現状

国内遺児の現状




あしなが育英会の高校奨学生の保護者の手取り月収は、平均して13万8千円足らずです。
「教育費不足」は67%で、高校卒業後の進路希望は、「大学・短大進学」39%。これに対し、全国の大学・短大進学率は55%(文部科学省調査)ですが、あしなが高校奨学生の「大学・短大進学」希望にも関わらず16ポイントも低い状況です。就職希望者の就職理由は、「経済的理由で進学断念」が53%にも上ります。




子どもにとって親との死別は、この上ない喪失体験となります。経済的基盤のみならず精神的・文化的な支えを失ってしまいます。特に災害や自殺のような突然死は大きなショックを与えます。昨日まで当然だったことがそうではないと知らされ、大切な人の存在が「もろいものだ」ということなどを突きつけるからです。

がんなどの病気を患った親の長期の闘病生活を共にしている子どもは、迫り来る死におびえた経験をしているかもしれません。あるいは逆に子どもに心配をさせまいとする周囲の大人たちの配慮から何も知らされず、結果的に突然のように親の死を告げられた体験をもつ遺児もいます。

98年以降連続で、自殺者が3万人を超える今日、自死遺児の心の傷は深刻です。自死の場合は突然の死というショックと共に、本当の原因がわからないために生じる親に対する疑心暗鬼や「自分のせいで死んだ」「自分はなにもしてやれなかった」という自責感、「自分は捨てられたんだ、愛されてなかったんだ」 という恨みや失望感などにさいなまれます。さらに、世間の目に対する怯えが追い討ちをかけます。家族や親戚から「親が自殺したとは決して言うな」と口止め される一方で、「周囲に知れたらどうしよう」という不安のなかで、ついに誰にも心を打ち明けることもなく孤独に陥っていくのです。




海外遺児の現状


世界には、エイズや他の病気、テロや戦争、津波や地震などの災害、自殺などによって生まれた遺児の数は、推計2億人といわれています。死別による精神的な傷だけでなく、極度の貧困、教育機関からのドロップアウト、薬物、人身売買、売春、虐待、差別、少年兵の問題などが今この瞬間も仲間たちを苦しめています。また、1日1ドル以下で生活をする人々も10億人を超え、貧困は、世代を超えて再生産され、紛争の原因ともいわれています。

私たちは、2001年にアフリカ・ウガンダ共和国にASHINAGAウガンダを設立し、エイズ遺児の心のケアと基礎教育支援(テラコヤ=寺子屋=教室)を行なっていますが、登録800人のエイズ遺児の中からある男の子を紹介します。

チッジョくん(15=写真下)は、日本の小学校2年生レベルで学校を中退し、テラコヤ教室がスタートした当初(2007年10月)からテラコヤで勉強しています。彼は、父親を1997年に、母親を2000年に亡くしました。それ以来、親戚の家を転々とし、最終的には大伯母のうちに引き取られました。しかし、このおばさんには育児放棄され、いまもおばさんの家の敷地内にある2~3㎡ほどしかない物置で一人で暮らしています。この“自宅”に置いてある物と言ったら、ボロボロのマットレスに汚い布、壊れかけたチャコールストーブ、そして、片手で数えられるほどの衣類のみ。自分で敷地内にキャッサバ(芋)を植え、それを育てて食べたり、工事現場や畑、レンガ作りなどの仕事を見付けて、日々の生活の足しにしています。

チッジョくんは、仕事が入ると仕事を優先するため、テラコヤを欠席することも少なくありませんが、勉強がよくできる子で、特に数学が得意。さらに彼は絵を描くことが大好きで、授業中に絵を描いて先生に怒られることもありますが、とても上手です。もし、テラコヤがなかったら、チッジョくんは、才能を伸ばす機会がなかった、と言っても過言ではありません。きっと毎日食べていくだけのお金を稼ぐためにひたすら“仕事”をし続ける人生だったのではないのでしょうか。

しかし、今テラコヤに通うことにより、将来の夢に向かって勉強することができています。彼の夢はパイロットから医者に変わり、先日は「ウガンダの大統領になりたい!」と、自身満々に話していました。テラコヤのお陰で彼の才能が消えることはなく、夢を持って生きることができています。