あしなが奨学生 あいさん
小学6年生の時に父が突然死し、私と家族の生活がガラリと変わりました。父は家で倒れ、そのまま意識を失い亡くなってしまったのです。我が家は自営業で従業員もいましたが、残された家族では経営を続けられず、会社はたたみました。
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私は、高校生のときから、あしなが奨学生になりました。1年生の夏、初めてあしなが育英会の「奨学生のつどい」に参加しました。正直、最初は行きたくなかったです。でも、思いがけず、素晴らしい4日間でした。
同じような境遇で頑張っているたくさんの同級生や先輩たちと出会えて、「ひとりじゃないんだ!自分も頑張りたい」と思えました。運営する大学生たちが大学で楽しそうに、自分のやりたいことにチャレンジしている姿に希望がみえたのです。それに、「私にも夢がある」と、そのとき初めて自覚しました。
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大学生活はすごく楽しいです。関わる人たちも増え、多様性の中に身を置き、世界がとても広がりました。学生募金やつどいで、後輩学生の成長を見守るのも楽しいです。
私は一人暮らしで仕送りをもらっていないので、あしなが奨学金を仕送りだと思っています。あしながさんは私にとって親のような、大切な存在です。あしながさん、そして天国のお父さんに「私、がんばってるよ!」と伝えたいです。
*1 可処分所得:家計収入から税金や社会保険料を引いたもの
*2 親に障がいのある家庭を除く奨学生家庭の世帯平均は239万円
「病気」・「病気がち」でじゅうぶんに働けない
あしなが奨学金の対象は病気・災害・自死(自殺)で親を亡くした子どもたちと、親が障がいでじゅうぶんに働けない家庭の子どもたちです。
本会が実施した奨学生保護者へのアンケート調査(2024年9月)からは、子どもたちのために働きたくても、「病気」「病気がち」で働けない状況にある保護者が51.6%もいることがわかりました。
遺児家庭の場合、子どもたちだけではなく、配偶者を亡くし残された保護者にも、喪失体験による心身への影響があります。そんななか、子どもたちのために必死に働いているうちに無理がたたり、病気や障がいをわずらってしまうこともあります。
特に2020年以降、コロナ禍での失業や収入減、長引く物価上昇などによって遺児家庭の困窮状態は悪化しています。「これ以上、親に負担をかけたくない」、「奨学金がないと進学を諦めざるを得ない」と考えてしまう子どもたちも少なくありません。
本会は、2023年度からあしなが高校奨学金制度を全額給付型に刷新しました。しかし、2023年度、2024年度と、2年連続で申請者数が定員を大幅に超えました。制度変更により、今まで以上に経済的に厳しい家庭からの申請数が増加。返済不安から申込みを控えていた層とみられています。
支援の手が届く範囲が広がった一方で、奨学金希望者の半数以上が奨学金を受けられない状況が続いています。
*3 2024年度採用実績
2025年度より、高校授業料は所得に応じて無償化されました。しかし実際に高校に通うには、授業料以外にも、入学金や教科書・教材代、制服代、通学費、部活代など、さまざまなお金がかかります。
文部科学省の調査*4(令和5年)によると、高校3年間に必要な生徒1人当たりの学校教育費(授業料を除く)は、公立高校で約92万円、私立高校で約160万円です。対して、2024年度のあしなが高校奨学金家庭の可処分所得は187.8万円。遺児家庭にとって教育費の捻出は、簡単なことではありません。
あしなが奨学金の高校奨学金(給付)は、経済的に厳しい環境にある遺児家庭の子どもたちが、お金の心配なく進学し、勉強や習いごと、部活、友達や家族との時間を、自分らしく有意義に過ごせるよう後押ししています。
*4「令和5年度 子供の学習費調査」(文部科学省)
私たち、一般財団法人あしなが育英会は、病気、災害、自死(自殺)などで親を亡くした子どもたちや、障がいなどで親がじゅうぶんに働けない家庭の子どもたちを、奨学金、教育支援、心のケアで支えています。
*2023年度より貸与と給付の組合せから給付のみに変更
「国内遺児の奨学金」に継続のご寄付をいただいた方には、年1回、奨学生直筆の「年賀状」「残暑見舞い」のどちらか一つをお届けしています。
進学を叶え、本会の教育プログラムを通して成長する奨学生たちの姿や、遺児家庭の声をお伝えする広報紙『Newあしながファミリー』を、年6回お届けしています。
*デジタル版をメールニュースで配信しています。ご寄付お申込み時に希望をご指定いただけます。
1回のご寄付額は500円以上からでお願いしております。ご寄付者様に手数料負担が発生しない寄付方法では本会が手数料を負担しておりますため、ご了承いただけますと幸いです。
ご寄付の使いみちは複数ご指定いただけます。あしなが育英会のご寄付の使いみちは現在下記の5つがございます。郵送での口座振替のお申込みの場合、★印の3つが対象です。
あしなが育英会の活動全般
国内遺児の奨学金 ★
国内遺児の心のケア ★
東日本大震災遺児支援
アフリカ遺児の教育支援 ★
ウェブサイトからのお申込みの場合、入力フォームで「『寄付の使途』を追加する」をクリックすると、使いみちの複数設定が可能です。それぞれの使いみちで、ご寄付額は500円から設定していただけます。
継続寄付の場合、クレジットカードや口座振替(申込書の郵送・オンラインでのお申込み)がご利用いただけます。1回のご寄付では、クレジットカード、郵便振替、コンビニでの振込、銀行振込、ペイジー(Pay-easy)がご利用いただけます。ご都合に合わせた方法をご利用ください。
ご希望に合わせて、ご寄付ごとの「領収証」、もしくは、年1回の「年間ご寄付の受領証明書」を発行いたします。継続寄付につきましては、ご希望がない限り、毎年2月頃に前年のご寄付履歴をまとめた受領証明書のみの発行とさせていただいております。
可能です。また、グループ名や団体名でご寄付の領収証とお礼状を兼ねた書面を発行することが可能です。
本会は一般財団法人のため、本会へのご寄付は、個人の方につきましては所得税法第78条第2項の寄付金には該当せず、所得控除や税額控除の対象とはなりません。法人につきましては、法事税法第37条第3項に規定する寄附金(公益団体に対する寄附金)には該当いたしませんが、一般寄附金として、損金の範囲内で算入していただけます。
あしなが育英会では、奨学生と、ご寄付者である「あしながさん」を1対1やペアでは結びつけておらず、「あしながさん」全体からのご寄付により奨学生全員を支援するかたちとなっております。
物価高騰など、皆様の置かれている状況も厳しさを増している中、ご自身の目標に向かって、諦めることなく日々努力されているお姿に私自身も励まされております。悩みごとがある時は、お一人で抱え込まず、誰かに助けを求めながら歩みを進めて行ってください。応援しています。
(60代 女性)
僕はこの夏、親になりました。とても可愛い我が子と同様に、たくさんの人に愛されて生まれてきたあなた方により多くの選択肢を持って欲しいと思い、寄付を決めました。我が子と同じだけの愛を込めて。
(30代 男性)
ひとりひとりを応援しています。 以前、寄付の後、あなたがたの先輩の方からお礼のお葉書をいただきました。 寄付の先に人がいる。そのことを教えていただきました。 ささやかな支援しかできませんが、皆さんが未来に向けて、世界に向けて、はばたく一助となれば幸いです。
(50代 女性)
遺児家庭の教育に関する経済的な負担をできるだけ軽減し、進学の夢をかなえてもらうため、奨学金の給付と無利子貸与を行っています。奨学金を通してそっと応援してくれるあしながさんの存在が、頑張る遺児たちの心を支えています。
※高校生は全額給付、その他は無利子貸与です。三菱UFJフィナンシャルグループのご支援により、大学生には給付奨学金が上乗せされます。
遺児の仲間づくりや自分らしい進路選択を後押しするための「奨学生のつどい」、学生寮「心塾」の運営、国際性を養う「海外留学研修」など、各種教育支援事業を行っています。また2020年度からは、小中学生遺児を対象とした学習支援事業「ラーニングサポートプログラム」も開始しました。多様な活動を通して、情報や機会へのアクセスが不足しがちな遺児家庭の子どもたちの「学び」と「成長」を支えています。
病気、災害、自死(自殺)などにより親をなくす体験をした子どもたちに、自分らしくいられる居場所を提供するため、全国5か所で、心のケアの施設「レインボーハウス」を運営しています。全国の遺児と保護者を対象に定期的なプログラムを開催しているほか、遺児同士の交流会や保護者のサポートなど、様々なかたちでグリーフサポートを行っています。
アフリカ遺児を、世界の大学で学ぶ機会とリーダーシップ育成プログラムを通して社会に貢献する志をもったリーダーに育てる「アフリカ遺児高等教育支援100年構想」を行っています。本事業では、高い志と社会貢献活動が評価され世界的に名誉ある賞を獲得した学生も輩出しています。また、ウガンダやセネガルでは、親を亡くした子どもたちへの基礎教育支援などの活動も行っています。