「将来は、日本とマダガスカルの架け橋に」アフリカ奨学生からのお手紙 ユリックさん
アフリカ奨学生からのお手紙「バオバブの芽」#4
ユリックさん(マダガスカル共和国)
このシリーズは、本会のアフリカ出身遺児奨学生から、日頃ご支援くだっている「あしながさん」に宛てた自筆のお手紙を紹介するものです。お手紙を書いているのは、100年構想生、ウガンダやセネガルからの高校奨学生など、アフリカの未来を担い、日本とアフリカの架け橋になる有望な若者たちです。
親愛なるあしながさん
コロナ禍で大変な時期に、皆さんとご家族がご無事で、そしてお元気であることを心から願っています。
この手紙を書いているのは、あしながの皆さんに心から感謝の気持ちを伝えるためです。皆様のあたたかいご支援のおかげで、私やたくさんのアフリカ出身の学生が夢を実現し、世界中で質の高い教育を受けることができます。 皆さんが送ってくださったメッセージや詩は、このコロナウイルス大流行の中、私に希望と勇気を与えてくれました。本当にありがとうございます。
私が2019年に日本の岡山に来て以来、今のところすべてが順調です。大学でもなんとか良い成績を残すことができましたし、その良い結果を維持することができました。今年はコロナウイルスの影響で、授業がオンラインでしか受けられなくなり、かなり厳しい状況になっています。しかし、「志」を大切にすることで、直面した課題をなんとか克服することができました。
私は将来、マダガスカルのバニラビーンズのビジネスを日本企業の向けに展開する計画を立てています。世界一のシェアを誇るマダガスカル産バニラは、主にアメリカやドイツに出荷されていますが、日本の企業にもその品質の良さを伝えて、そしてバニラ農家の人々の生活全体まで経済活動がいきわたるようなシステムを構築したいと考えています。失業問題が深刻なマダガスカルでより多くの雇用を創り出し、母国の人々の助けになればと思います。これが、私の志です。
このような将来の目標が持てるようになれたのも、あしながさんのご支援のおかげです。皆様の応援のおかげで私は自分の目標を達成し、将来、社会に恩返しができると信じています。
コロナウイルスの流行が一日も早く終息し、私たち全員がこの困難な時期を無事に乗り越えられることを祈っています。
マダガスカル共和国
面積:587,295平方キロメートル
(日本の約1.6倍)人口:2,769万人(2020年、世銀)
首都:アンタナナリボ
言語:マダガスカル語、フランス語
アフリカ出身遺児奨学生の中には、本会の支援で留学するまで生まれ育った地域から出たことがなく、今日一日をどう生きるかというような厳しい暮らしをしていた学生も多くいます。そんな彼らが今、日本の安全な教育環境で集中して勉強し、多くの機会に挑戦できるのは、皆様のご支援のおかげです。どうぞこれからもアフリカ遺児たちのがんばりを応援してください。
アフリカ事業について
◆あしながアフリカ遺児高等教育支援100年構想