【小中学生学習支援】LS成果報告会・LSP修了式を行いました
あしなが育英会は2020年10月より、小中学生対象の学習支援「ラーニングサポートプログラム(LSP)」という取り組みを行っています。LSPでは本会奨学生の大学生が中心となり、遺児家庭の小中学生にオンラインで学習指導を主とするサポートをしています。
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LS報告会 コミュニケーションをとることが学力向上に
今年度のプログラムが終了し、3月22日・23日にLSの最終報告会とLSP修了式をあしなが心塾で開催しました。
LS報告会には18名が参加し、1日目はサポータ―同士の交流や1年間におよぶサポートを振り返り、2日目に代表者がサポート企業に向けて活動の報告を行いました。
LSPでは、新型コロナウイルスの流行により、プログラム開始当初からサポーター同士の対面交流の場を持てずにいました。今回の報告会で念願の対面を果たし、喜びの笑顔がならびました。
※LS 子ども達の学習サポートをする学生や社会人(通称:ラーニングサポーター)
※LR 学習支援を受ける遺児や親が障害のある家庭の子ども達(通称:ランナー)
大学3年生のMさんは、本会の留学制度を利用しイタリアに留学中にサポーターとして活動しました。「ランナーに具体的な夢をもってほしい」と目標を立て関わったそうです。担当したランナーは中学2年生。1年間のセッションの中で志望校が2つにまで絞ることができ、就きたい職業も決まったと報告するMさんはとても嬉しそうでした。また、「私が留学で苦しい時期も、ランナーの頑張りが励みになった。」と自分自身にとってもLSPの時間が糧になったと語りました。
大学1年生のTさんの担当は小学6年生の男の子。分数や小数の計算が苦手でしたが、一度100点をとる程まで苦手を克服できました。
ランナーの中学生との関り方について、「一見無駄な時間に見えても、雑談などコミュニケーションをとることが大事だった。関係が深まることでお互いに質問しやすくなり、結果的に学力向上にもつながったと思う。」と振り返りました。
修了式 「一対一の良さを実感」「単語テストが分かるようになった」
23年度の終了に伴い開催したLSP修了式は、LS報告会の会場とオンラインをつなぎ、ランナーの小中学生や保護者、その他のLSもオンラインから参加しました。当日は、それぞれの代表が23年度の成果や今の思いを発表しました。
ランナーの中学3年生 Mさんは「英語が苦手だったけど、学校の単語テストが分かるようになった。」「サポーターが優しく教えてくれた。高校生になっても(LSPを)続けたい。」とコメントしました。
Mさんのお母さんは、サポーターと関わりを通して、学習面だけでなく心の成長にもつながったとお子さんの変化について振り返りました。学校の三者面談では、これまで空白が多かったノートが単語を沢山書くようになり、担任から「ノートが変わってきましたよ」と言われたそうです。
教員を目指すサポーターのTさんは、全国の離れたところに住む子ども達と関われることもオンラインで行うLSPならではの良さと語り、「挑戦を大事にして、自分のやりたいことに向かって進んでいってほしい」とランナーの小中学生へメッセージを送りました。
「周りの大人はみなさんの味方」
修了式にはプロボノ企業の担当者も出席し、ランナーの小中学生やサポーターへメッセージをいただきました。
atama plus株式会社の小松さんからは、「ランナーの小中学生や保護者のスピーチを聞いて、LSPは自分の人生を生きる人を増やしていると感じられた。そのサポートができていることを嬉しく思う。」とお話いただきました。また、株式会社やる気スイッチグループの林さんからは、「周りの大人はみなさんの味方。これからも安心して良い人生や学生生活を過ごしていって欲しい。」とメッセージを送られました。
今年度の成果・来年度へ向けて
2022年度はLR 69名(小学生22名・中学生47名)が学習に取り組み、LS 70名が学習をサポートしました。また、今年度からトライアルとして高校生のサポートも始めています。高校生は教科ごとにグループを組み、個別対応も行いながら学習を進めました。今年度はLR 12名、LS 6名が参加しました。
週1回のセッションだけでなく、長期休みを利用して、日本在住で外国にルーツをもつ家庭へ滞在するまちなか留学*やあしなが奨学生OBの話を聞くロールモデルカフェ*などのイベントも開催しました。
2023年度、LSPは4年目を迎え、年々発展を遂げています。 これからもより多くの遺児小中学生に成長と学びの機会を提供し続けていきます。