レインボーハウスから活動報告(5月)
野鳥のさえずりが響き渡る5月、親との死別を経験した子どもと保護者のためのプログラムを開催しました。
レインボーハウスでは、子どもたちひとり一人のグリーフ(grief:喪失に伴う様々な反応)を支えるため、子どもたちの身体の安全はもちろん、心の安心を感じてもらう環境を大切にしています。
プログラムへの参加希望、レインボーハウスの話を聞いてみたいという方は本記事末尾のリンクよりお問い合わせください。
あしながレインボーハウス(東京都日野市)
あしながレインボーハウスでは、ワンデイプログラムを2回開催しました。小学校1年生から高校1年生までの子ども13名と、保護者12名が参加しました。久しぶりに顔を合わせた二人が駆け寄り、抱き合う姿が印象的でした。
プログラムの始まりに行う自己紹介と自分の家族について話す時間は、亡くなった人との思い出や人柄、似ているところ、影響を受けていると思うところなどを伝えあう機会となりました。嬉しそうに話す子や照れながら話す子の姿が見られました。
その後子どもたちは、ボール遊びやオニごっこをしたり、パラコードを使った小物作りをしながらおしゃべりをしたり、施設内に実るユスラウメの収穫をしたりなど、思い思いの過ごし方をしていました。
自分自身のことに丁寧に触れ、それぞれの気持ちや体験を共有する時間では、ファミリーツリー作りにチャレンジしました。ファシリテーターと自分や家族についておしゃべりしながら取り組んでいました。お互いの印象や書いた内容の共通点と違いについて話をするきょうだい、両親の結びつきを表現する子、楽しそうに亡くなったお母さんの人柄を語る子など、様々なやり取りが見られました。
自分や家族の紹介文、家族との思い出・伝えたいことなどをカードに記入し
好きな場所に貼りオリジナルのファミリーツリーを完成させるワーク
プログラムの最後に感想共有する時間では、誕生月を迎えた子をみんなでお祝いする時間をもちました。生れてくれたことへの感謝とレインボーハウスに繋がってくれたことへの感謝を伝えるバースデーカードを贈りました。
6月のワンデイプログラムは17日(土)と18日(日)に開催を予定しています。
首都圏にお住まいで、親との死別を経験した子どもとその保護者の方であればどなたでもご参加いただけます。
神戸レインボーハウス(兵庫県神戸市)
神戸レインボーハウスでは、開放日を2回開催しました。合計で子ども16名、保護者7名が参加しました。
プログラムの始めには、みんなで輪になり自己紹介。「早く遊びたい」と話す子どもがたくさんいました。
その後、ボール当てなどで汗を流す子、UNO(カードゲーム)をする子、KAPLA(木製の積み木)で町作りをする子など、その時々の気持ちに合わせて過ごしていました。
自分の気持ちに丁寧に触れ、それぞれの気持ちや体験を共有する時間では、母の日や父の日に関するワークを実施しました。
お父さん、お母さんそれぞれへのプレゼントボックスを用意し、一緒に住んでいる親、亡くなった親の両方に言葉や絵の贈り物を考えました。
きょうだいで亡くなった親のことや一緒に住んでいる家族のことを語りながら、亡くなった父親や母親が好きだった色で言葉や絵を書いたり、亡くなった人が好きだったもののシールを貼ったりしていました。
お父さんを亡くしたある子どもは、これまで父の日について考えたことがなかったことなどを率直に話してくれました。
5月7日に行ったプログラムの最後にはサプライズ。
神戸虹の心塾生が子どもたち一人ひとりに押し花の栞をプレゼントしてくれました。
子どもたちは、じゃんけんをして、お気に入りの花を選んでいたのが印象的でした。
今月は6月4日(日)と18日(日)にプログラムを開催予定。
参加してみたい方やお話を聞いてみたい方は本記事末尾のリンクよりご連絡ください。
東北レインボーハウス(宮城県仙台市、石巻市、岩手県陸前高田市)
仙台レインボーハウスでは、ワンデイプログラムを行いました。子ども2名、保護者4名の参加でした。
子どもより保護者の方の参加が多いケースは、昨年くらいからちらほら見かけられるようになりました。中学くらいから部活などが忙しくなり参加が思うようにできなくなる子どもたちが増え、年月の経過を感じます。子どもたちが日常の中でやりたいことに取り組めていることは何よりだと思います。
自分の気持ちに丁寧に触れ、それぞれの気持ちや体験を共有する時間では、質問カードの、いまいまカード(“今”に関する質問の書かれたカード)、学校カード(学校に関する質問の書かれたカード)などを使い近況を話しました。この春小学校に入学した子は、先生のこと、給食のこと、新しい経験を豊かに教えてくれました。4月の進級を経て、新年度を迎えそれぞれが新しい環境に進み始めたことを感じる時間となりました。
保護者のプログラムでは、子育て只中の話題あり、長年の勤めを終え次の生き方の話題ありと、性別も人生のフェーズもバラバラでありながら、終わりの合図が聞こえるまで、話は尽きることなく続きました。いつも一人でいることが多いと言っていたお父さんは「こんな楽しい時間は久しぶりでなんかすっきりした」とお話されていました。
陸前高田レインボーハウスには、保護者1名が来館されました。
職員とお茶を飲みながら、震災前を含めたこれまでの生活やご自身の健康のこと等をお話して下さいました。
「子どもの学校に関することはちゃんとしようと思って、学校行事のことも部活動のことも、一人でやりました。夫が行方不明な中でも、平気なふりをしたり、周りの人と接する時にはニコってしてみたり。」
ふと職員と二人で時計を見ると、プログラムの終了の時間が近づいていました。「話すはずじゃなかったことまで話してしまって…あっという間でした。とっても楽しかった!」と言って、笑顔で手を振って日常へと戻られました。
今月は6月以降もプログラムを開催予定。
参加してみたい方やお話を聞いてみたい方は本記事末尾のリンクよりご連絡ください。
レインボーハウスへの問い合わせ
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