学習支援サポーターに聞く「どうしたらよりよくなるか」を問い続ける大切さ【LSPインタビュー vol.1】
あしなが育英会は2020年10月より、小中学生対象の学習支援「ラーニングサポートプログラム(LSP)」という取り組みを行っています。LSPでは本会奨学生の大学生が中心となり、遺児家庭の小中学生に学習指導を主とするサポートをしています。
◇ラーニングサポートプログラム(LSP)の詳細はこちら
こんにちは! LSPインターンの奥田です。
今回は日頃よりLSPでサポートしてくださっているLS(ラーニングサポーター)の吉野友実子さんにインタビューを行いました。
※LR:LSPのサポートを受けている遺児家庭の小中学生
※LS:LSPの学習サポートをしている大学生
「格差」について視野を広げたい
ーーはじめに、あしなが育英会はどういう経緯で知ったのか教えてください。また、どの部分に興味を持ったのですか。
以前、ドットJP (学生を対象としたインターンシッププログラム。議員・グローバル・NPOの分野のインターンを提供 )という団体に所属しており、そこでのインターン配属先にあしなが育英会を選んだことがきっかけです。
あしなが育英会をインターン配属先に選んだ理由としましては、主に2つあります。
ひとつめは、あしなが育英会が実施する街頭募金活動を最寄り駅でよく見かけたり、親から「こういう団体があるよ」というのを知らされていたのもあって、元々興味があったからです。
ふたつめは、私の興味分野の「格差」についてより視野を広げられる良い機会になるのではと考えたからです。
ーー「格差」についてどんな想いがあるのですか。
私自身、健康や食育について強い関心があるのですが、毎日生きることに精一杯だと健康や食育に目を向けられる余裕がない現状があると思っています。健康の格差というのは、教育の格差にもつながっていると考えています。ですのでまずは、教育格差を埋めようと思うようになりました。
また、幼い頃から食に興味をもってくれるようにサポートしたいという想いもあります。
休日お花見を楽しむ吉野さん
勉強、課外活動、家族や友だち、いろいろなことを大切にしてほしい
ーーLSをしたいと思った理由を教えてください。
きっかけは、枠があってスポットではいったことでした。サポートをしていく内に、もともと教えることが好き(学習塾の採点などをしていた)なのもあり、定期的にLSをするようになっていました。
また、私はSV(スーパーバイザー。LSをサポートする職員)も兼任しているのですが、SVの視点のみだと現場の課題が吸い上げられきれないことに気づき、現場のLSの視点も取り入れたいと考えるようになったことも理由の一つです。
ーーLSPをしていてやりがいを感じるときはどんなときですか。
LSをしていて最近一番うれしかったことは、LRのお母様から「LSPのために準備いつも頑張っているんですよ」というのを聞いたことです(とてもうれしそうな笑顔)。
もともとそのLR は人見知りで口数も少なかったのもあり、変化を感じてうれしくなりました。
ーーLSPを通じて難しい、大変だと感じたことは何ですか。また、どうやって乗り越えましたか。
LRが間違えていた時に、どうやって傷つけない伝え方で正解に導けばいいだろうということに悩んでいます。
ーー担当しているLRにはLSPでどんないい影響を受けてほしいと考えていますか。
これは明確で、人生の選択肢を広げてほしいと思っています。「これしかなかった」で選ぶのではなく、「これがいい!」で選んでほしいという想いが強いです。
私は、勉強することで広がる世界があると思っています。ただ、勉強がすべてではないので、課外活動や家族や友達の時間も大切にしてほしいです。たくさん、いろんなことに挑戦してほしいと思っています。
ーーLSPに関わる上で大事にしていることはどんなことですか。
LRの立場になって常に考えることです。教える側と教えられる側が生まれれば、どうしても教える側の立場が強くなってしまいます。しかし、LSPは教える場所ではないので、対等な立場を目指してお互いの意見を尊重することが重要だと考えています。
LSとしての参加は自分の未来もよりよくなる
ーー卒業後は、どのような道に歩まれるのですか。
正直かなり迷っているところではありますが、大学院に進んで、行政の道にいきたいと考えています。
ーーどんな人生を歩みたいと感じていますか。どんな人になりたいなどあれば、教えてください。
目標として、柔軟でしなやかな軸のある女性になりたいです。環境が変わっても「人の役に立ちたい」という軸だけはブラさずに必要とされる人間になりたいです。
ーーLSPでの活動の経験は、吉野さんのこれからにどのように活きてくると感じますか。
LSPでの活動は専門分野ではないものの、確実に視野が広がる機会にはなっています。例えば、LSPをしていなければ、佐賀の女の子と話す機会はないですよね(笑)。今は点と点になっている活動でありますが、いつか線になると信じています。LSPでの活動は、将来必ず活きてくると確信しています。
また、食への興味をあげたいという私の想いをかなえるための一つの手段としてLSPに取り組んでいるということは、LSPに取り組まないよりも、かなり考えがよりよくなると感じています。
ーーこれからLSPにLSとして関わりたいと思っている人たちにメッセージをお願いいたします。
とりあえず、やってみてください! 新しい世界に飛び込んでみることは重たい一歩になりますが、やってみえるものはたくさんあります。LSPは特にLRとの関係を通して自分を見つめなおす機会になります。うまくできないもどかしさを感じるかもしれませんが、未来ある子どもたちに「どうしたらよりよくなってもらえるだろう」と考え続けることは自分の未来への考えをよりよくすることに確実に繋がってきます。
先入観をもたないでください。あしなが育英会は遺児支援の団体なので、子どもには繊細に関わらないといけないイメージかもしれませんが、あしなが育英会に関わる全ての人を一人の人間として見てみてください。
そして、とりあえずやってみて!楽しいことしかないです! SVのフォローも心強いし、会として守ってくれるので安心して活動できます。あしなが育英会でみなさんのことをお待ちしております。
ーー吉野さんは、SVも兼任で働いてくださっています。
インタビューを快く引き受けて下さった吉野さん、ありがとうございました。
編集後記
吉野さんのLSPへの温かくも熱い想いがひしひしと伝わってきました。
私自身もとても楽しみながら吉野さんのお話を伺いました。
LSPでは、現在LS募集中です。
LSP(ラーニングサポートプログラム)の詳細はこのページへ。
吉野さんのお話を読んで、少しでも気になった方はぜひ詳細を見てみてください。