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青野 史寛さん(東京・ソフトバンク株式会社人事部長)
後輩遺児「考え、動いているか」
 あしながOBで企業関係では"トップランナー"と噂高い。大学卒業から人事畑一筋。リクルートでは毎年数千人と会ってきた。今はスカウトされてソフトバンク(株)人事部長、ソフトバンクモバイル(株)常務執行役員。系列800社の役員人事を統括する。王監督のホークスもそのうちの1社だ。孫正義社長の彼への信頼も厚い。彼自身も子会社の社長や役員を兼ねる。月〜金は夜半までモーレツに働き、社の近くのアパートで寝、土・日は仕事は全く入れず、家族サービスとマンションの近隣のために汗を流し、家族との生活も大切にする。
 青野さんは、3歳のとき父を交通事故で亡くした。33歳だった母は長男である青野さんを非常に厳しく育てた。中学卒業前、その母から人生の選択を迫られた。「就職せずに高校行きたいなら、自分で稼いで行きなさい」。中学から皿洗いでバイトし、人の3倍働いた。高校、大学は授業料すべてを自分で稼ぎ、家にお金も入れた。努力、根性、自分に負けず、とにかくがんばった。がんばることが周囲の信頼を生み、それが社会の評価につながることを身をもって経験した。
 高校卒業の時、大学に行きたくなり一浪して慶応大学経済学部へ。あとはアルバイト人生。就職時には大学の成績評価「優」はシングルだったが、超一流企業は総ナメで合格。しかし、感ずるところあってリクルートに入社。以後、人事を多面的に学び仕事をした。
 その人事力"No.1"の青野さんに遺児の就職について聞く。
 「遺児の学生は非常に素直なんだけど、ツルッとしたいい子ちゃんが多い気がしますね」
 「遺児母子家庭特有の弱さかもしれない。社会の中で働く、という意識が低すぎる。深くものを考えない、何をやりたいのかわからない、自分が整理されていない」
 「面接時、企業が学生に聞くことは2つだけ。1.あなたはどんな人?2.なぜ我が社で働きたいの?」
 「組織の歯車のような人はいらないんです。正解がない今の時代にこそ、正解を作り出せる人が必要とされている。面接に受かる学生はどこの会社も受かる。受からない学生はどこも受からない。まさに就職戦線の二極化です」
 「どこも受かるような学生はコミュニケーション能力が高いから話をしていて楽しい。問題意識があるから、どんな話題にも価値観を持ってきちんと話せるんです」
 「働いて稼ぐ、ということに対してもっと貪欲になって考えてほしい。世の中には300万の会社があると言われている。訪問は多い学生で200社ほど。平均1人50社。とにかく足で回るしかない。学生たちがよくいう『自分に合う会社を見つけたい』なんて、非常に難しい。どんな企業のどんな仕事にも意味がある。職種関係なく、どこにいても自分次第で必ず活躍できるんです」
 「人事のプロ」青野さんからあしなが後輩遺児へ贈るメッセージは、いつも熱く、厳しく、やさしい。(岡崎祐吉記者)
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