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東日本大地震・津波遺児1120人707世帯分析 半数が母子家庭 小学生以下の遺児最多4割 長期の物心両面ケアが必要

2011年06月28日 [プレスリリース]

 あしなが育英会は、東日本大地震・津波で保護者が死亡・行方不明の子ども1,120人707世帯の「特別一時金申請書」(5月末日までの受理分)から被災状況や被災後の生活状況、保護者の就労状況などについて「分析調査」を実施。申請書に記載された内容を、副田義也・筑波大学名誉教授(社会学)とともに分析しました。 【NHKニュース】 【日本テレビ】 【朝日新聞】 【読売新聞】 【時事通信】

記者発表資料1 記者発表資料2 記者発表資料3
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 結果は母子世帯が350世帯で5割、父子世帯217世帯で3割、父母以外が保護者(両親なし)世帯が139世帯で2割でした。保護者年齢は4割が40代で、平均年齢は44.6歳。保護者最年少は19歳(姉)、最年長は90歳(祖父)。遺児の就学状況は、就学前137人(12.2%)、小学生346人(30.9%)、中学生242人(21.6%)、高校生252人(22.5%)、大学生・専門学校生など143人(12.8%)。本会が把握した阪神大震災遺児と比べて、小学生が7.6ポイント高く、逆に高校生以上は6.5ポイント低いことが判明しました。申請時の住まいは、自宅は211世帯(34.1%)だけで、それ以外は、親類宅224世帯(36.2%)などで避難生活を強いられています。また、福島県では2割が他県へ移動しています。自宅の被害なしは、137世帯(22.5%)のみで、全壊393世帯(64.4%)など住居の被害も深刻です。保護者の就労状況は、正規雇用が76人(37.6%)のみで、無職・求職中が65人(32.2%)。母親は、正規雇用が23人(23.0%)、無職・求職中が40人(40.0%)とさらに厳しい雇用状況が判明しました(高校生以上202世帯が有効回答)。

 集計結果について副田義也教授は次のとおりコメントしました。
 「あしなが運動は、遺児による遺児と遺児家庭の救済運動である。東日本大地震は、津波と震災によって、多数の遺児と遺児世帯を発生させた。その結果、あしなが運動は新しい仲間をむかえることになった。呼びかけ、連帯するべき仲間である。連帯の第一歩は、すべての遺児への一時金の給付であった。5月31日現在、給付対象の全数は、遺児世帯707、遺児1120におよんでいる。申請状況からみて、申請する遺児の総数は1500から2000に達するであろう。調査結果によれば、遺児家庭の代表的生活問題は、住宅問題、地域崩壊、職業問題、貧困問題、教育問題、精神的外傷など多岐にわたる。今回の調査は、一時金などの申請書をつかっておこなったものであり、収集されたデータは、大地震による遺児家庭と遺児の最初のデータとして貴重なものだが、収集されていない事実のデータも多いはずである。それらは今後、追い追いあきらかにするとして、この発表を機会に、とりあえず大地震による遺児家庭と遺児のための総合的救済策の必要を訴える」

 現在、各自治体では震災で両親を亡くした子どものみを把握していますが、どちらかの親を亡くした子どもは把握していません。今回、保護者があらゆる面で厳しい状況に追い込まれていることがわかりました。阪神大震災遺児よりも人数も多く、より幼い遺児の割合が高いことから、さらに物心両面で長期的な支援が必要であることが明らかです。また、阪神・淡路大震災遺児と比べ幼い子どもが親をなくしている比率が高く、さらなる長期的な物心両面での支援が必要で、本会で計画している心のケアセンター「東北レインボーハウス(仮称)」の必要性もさらに高まります。6月27日現在、一時金を送付した人数・金額は1325人、8億3890万円。確認した遺児数は、阪神大震災遺児573人の3倍に近づいています。


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