東日本津波遺児支援 フランス・パリで街頭募金などを実施
12月11日、あしなが育英会はフランス・パリ市の観光名所、エッフェル塔が一望できるシャンドマルス公園で、津波で親を失った子どもたちを支援するための募金などを行いました。気温4度、曇が厚く垂れこめるこの日、12時45分に突然鳴り響いた太鼓の音に興味をそそられた、公園内のパリ市民や観光客が続々と集まり始めました。
13時、あしなが育英会パリ募金活動の開始が宣言されるとまず、高橋重範あしなが育英会理事(パリ訪問団団長)が開会の挨拶。「東北の津波で親を亡くした子どもたちの心のケアのため、『東北レインボーハウス』を建設する運動にご賛同いただき、ぜひご支援をお願いするために日本からやってきました」と、今回のパリ訪問の目的を説明しました。
続いて仙台の高校生、日下マリアさんが津波で父親を亡くした辛い経験について語り、「将来は介護の仕事をしながら海外ボランティアもしたいと思い、英語も学びたくて4月から留学をします」と、悲しみを乗り越えながら、一歩ずつ前に向かって歩んでいることを伝えました。
同じく仙台の高校生、菅原彩加さんは、津波で母親を亡くした経験について話しました。「家族を想って泣いた日も何度もありました。天国にいる家族に恥ないようにしっかりと前を向いて歩いて行きたいです」と、当時を振り返りながらも、これからの人生の抱負を力強く述べました。集まった人々は、フランス語の通訳を交えた2人のスピーチに、真剣な面持ちで聞き入っていました。
スピーチに続いて、開会前に和太鼓の演奏を披露した、宮城県太鼓連絡協議会に所属する、中高校生が中心の8人編成の和太鼓チームが再び登場しました。まず大黒様の衣装を身に着けた協議会会長の久保泰宏さんが、タスキ掛けにつるした抱え太鼓を鳴らしながら、一から八までの韻を踏んだ口上を述べた後、エッフェル塔を背に最初の演目:鼓音(つづみね)の演奏が始まりました。
勇壮で力強い演奏が終わると次に、4人の女子メンバーだけによる太鼓の演目に移りました。最後は、協議会の今野鏡子副会長が女子メンバーに加わり、両手にセンスを持って舞う“雀踊り”を演じて、約20分間の演奏と踊りがすべて終了。集まった人々から惜しみない拍手が送られました。この日の演奏で使われた和太鼓は、今年3月11日の津波によって海水を被ったり、海に流されたりしましたが、奇跡的に回収され修復されたものです。
最後に、あしなが育英会の大学奨学生、吉田絵里さんの呼びかけで、募金活動がスタートしました。この日の募金に協力するため、フランス在住の日本人の家族が多数集まりました。中にはまだ10歳にも満たない男の子や女の子が募金箱を持って、集まった人々に募金を呼び掛けてくれました。
フランスでは、募金箱を持って街頭で行う募金活動に全くなじみがないため、戸惑った様子を見せる人もいましたが、それでも大勢の方々が、快く募金に応じてくださいました。パリ市青年評議会のメンバーや、在仏日本大使館職員の方たちも応援に駆けつけてくださいました。
また国内外の多数の報道機関にも取材していただき、パリ訪問団による今回の募金活動は盛況のうちに幕を閉じました。今回の募金は、前述の「東北レインボーハウス」の建設・運営費に充てられます。






