ロシア・メドヴェージェフ大統領夫人、津波遺児らをロシアに招待
ロシア・メドヴェージェフ大統領夫人と政府教育科学省が東日本大地震・津波で親を亡くした高校生を励ますため、12月18日~25日、あしなが育英会「特別一時金」の給付を受けている15人の津波遺児をロシアに招待。津波遺児らはモスクワ及びその近郊で同世代のロシアの青年らと交流しました。参加したのは岩手県の釜石高校と大船渡高校、宮城県の気仙沼高校と石巻市立女子高校の生徒たち。ズヴェトラーナ夫人=下画像右=は今回の震災に深く心痛めロシアに津波遺児を招待することを提案、在ロシア日本大使館、日露青年交流センターの協力によって交流事業が実現しました。
モスクワ到着翌日は、在ロシア日本大使館・原田親仁大使を表敬訪問。午後、モスクワ市内の1535番学校で、日本語を学んでいるロシアの中学生や高校生らと交流しました。ロシアの生徒たちは日本から来た遺児らを歓待、コンサートホールで開かれた歓迎会では9月から練習を始めたという、日本語の歌や劇、ロシア民謡、伝統的な踊りなどを披露しました。お礼として、日本の遺児らが「世界に一つだけの花」を合唱すると、約200人が総立ちで歌に合わせて手を振り会場は熱気に包まれました。阿部真奈さん(石巻市立女子高校2年)は、「あたたかい歓迎で、震災のことを少し忘れることができた」と述べました。この日、「歓迎会」を企画した1535/1555番学校の生徒たちは、全日程を通して派遣団に付き添い津波遺児らと親交を深めました。
また、青年交流だけではなく、ロストロポーヴィッチ基金奨学生とチャイコフスキー記念国立音楽院の日本人留学生による合同コンサートや、6年にわたる修復工事を終えたばかりのボリショイ劇場での「くるみ割り人形」の観劇、ソルトレイク冬季五輪の金メダリスト、アレクセイ・ヤグディン氏=画像右端=によるスケート教室など、ロシアの素晴らしい文化に触れる機会を得た震災遺児らの表情は、一日一日と日を重ねるごとに明るくなっていきました。
22日には、大クレムリン宮殿を訪問。今回の交流事業の発起人であるズヴェトラーナ・メドヴェージェフ大統領夫人に、国家的祝典に使用されるゲオルギーの間で謁見しました。1時間以上にもわたる謁見で、大統領夫人は「日本から来てくれた津波遺児の皆さんが良い新年を迎えられるよう、そしてこのロシア滞在が一生の思い出になるように願っています」と話され、笑顔で震災遺児らを歓迎してくださいました。派遣団代表として足利沙季さん(気仙沼高校3年)は「私は今高校3年生で来年卒業します。震災の時、国内外の緊急支援部隊の方々に助けていただいた経験から、将来は災害救助に関わる仕事につきたい」と謝辞を述べると、大統領夫人は大変感激した様子でした。さらに、夫人は「次回日本を訪れる際にはぜひ玉井会長とお会いしたい」と、あしなが育英会の津波遺児支援と今回の交流事業実施における協力に対して深い敬意を表されました。
謁見を終えると緊張で強張っていた遺児らの顔も緩み、改めて貴重な経験をしたことを実感し、クレムリン大宮殿の荘厳さなどを語っていました。雪降る中、誇らしげに輝く津波遺児たちの顔が、今回のロシア訪問がまさに一生の思い出になったことを表していました。
津波遺児らはその後も、震災後いち早くロシア政府が災害救助部隊を石巻市に派遣した「非常事態省」を訪問し慰霊碑に献花するなど、様々なプログラムに参加しました。お世話になったロシアの生徒や教育科学省のスタッフとの別れを惜しみながら、26日に帰国しました。






