
新元 愛美
Manami Shinmoto広報部
入局のきっかけ
あしなが育英会にご縁を感じたのは、自分自身が20代の間、ずっと奨学金について考え続けてきたためです。
私は奨学金のおかげで大学院まで進学することができました。学生時代はそれほど悩んでいませんでしたが、社会に出た直後から、「自分には多額の借金がある」という事実が重くのしかかってきました。
新卒で入った会社の月給は手取り12万円でした。その頃は将来が不安で毎日苦しかったです。転職して少しずつ給料を上げ、休日もアルバイトでお金を貯めて、社会人6年目に全額を返済。そのタイミングであしなが育英会の広報部の面接を受けました。
お金に困っていたときは「奨学金さえなければ」と何度も考えたけれど、完済後に振り返ると、「奨学金があったから」学べたこと、会えた人、見えた景色もたくさんありました。人生はリスクを背負って何かを選択することの繰り返しで、進学もその一つだと思います。お金と時間を投じた学生生活の中で何を得るかは自分次第ですし、もし理想どおりの成果が得られなくても、その経験自体から学んで、次の選択につなげることはできます。
奨学金のおかげで大切なことを学んだからこそ私は、あしなが育英会で働くことを選びました。子どもたちの未来の選択肢を増やすお手伝いがしたい。そして同時に、個人が背負う返済の負担を少しでも減らせるように、より多くの方に会の活動を伝え、支援の輪を広げていきたい。そんな想いで、今も仕事に取り組んでいます。
仕事の内容・やりがい
主な業務は、年6回発行する機関紙『NEWあしながファミリー』の制作です。全国の奨学生や保護者の皆さんを取材して記事を書いたり、他部署から集めた活動レポートを編集したりして紙面をつくっています。ご寄付者の「あしながさん」にお会いして、どんなお気持ちで支援してくださっているのかを伺う機会もあります。
個人へのインタビューや、季節ごとのイベント、アンケートなどを通じてさまざまな方の想いを受け止め、広く伝えることができるのが魅力。締切前は立て込むことも多いですが、紙面が刷り上がったときの達成感は格別です。
機関紙以外にも、広報用のパンフレットや小冊子、書籍などの企画・制作も行っています。2023年に発行した遺児のお母さんによる作文集『星になったあなたへ』にはたくさんの反響をいただき、読者の方から届いたお手紙を読みながら感激して泣いてしまいました。人の優しさ、温かさに触れるたびに、この仕事をしていて良かったとしみじみ思います。