
このページは、「あしなが学生募金事務局」による【あしながネット募金】のプロジェクトです。
【あしながネット募金】を通じたご寄付は、「一般財団法人あしなが育英会」への直接寄付となり、2分の1を病気、災害、自死(自殺)によって親を亡くした子どもたちや、親が障がいで働くことができない家庭の子どもたちの奨学金として、残り2分の1をサブサハラ・アフリカ遺児の高等教育支援費として、大切に使わせていただいています。
あしなが学生募金は、親を亡くした子どもたちや、親が障がいでじゅうぶんに働けない家庭の子どもたちを支援するための募金活動です。「環境に左右されず、誰もが夢を追いかけられる社会にしたい」という想いをもった学生たちが活動しています。
毎年、春と秋に4日間、毎回のべ1万人のボランティアスタッフの方々に支えられて、全国120か所以上で街頭募金を実施しています。
活動をしている大学生の中には、あしなが奨学金により大学進学を果たした奨学生もたくさんいます。奨学生たちは、「ご寄付で支えてくださるあしながさんへの感謝を胸に、後輩遺児たちに進学の道をつないでいきたい」という気持ちから、60年以上続くこの募金活動をつないできました。
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【遺児家庭の6割以上は年収210万円未満 、経済的困窮に物価上昇が追い討ち】
「一般財団法人あしなが育英会」が2024年7月に行った奨学生保護者アンケート(回答者3107人)では、回答者の61.5%が、「昨年度の収入が210万円未満」と回答しています。
国内における子育て世帯の平均年収は785万円(2022年国民生活基礎調査より)であり、あしなが奨学生家庭の収入は平均年収の27%以下となっています。
さらに、物価上昇が続くなか、85.5%が「昨年度から収入が上がっていない」、94.2%が「収入が物価上昇をカバーできない」と回答しており、遺児等の家庭では困窮が深まっています。自由記述欄には「節約のために食事を抜いている」、「夏に冷房を使えない」という声が多くありました。体調を崩してしまった保護者も少なくありません。経済的な困窮により、子どもたちの進学の機会が脅かされていることも大きな問題となっています。
アンケート結果について詳しくはこちら
このアンケートに回答したあしなが奨学生の世帯とほぼ同等の状況にある世帯の子どもでも、あしなが奨学金を受けることができていない遺児もいます。2024年度の「あしなが高校奨学金」の採用率は44%でした。申請者が過去最多の3487人(前年度比32%増)にのぼり、奨学資金が追いつかず、申請者の半数以上を採用することができなかったためです。
あしなが学生募金では、一人でも多くの遺児に奨学金を届けるため、支援を呼びかけています。
あしなが育英会の奨学金を受けて進学した、大学生の声を紹介します。
〈あしなが大学奨学生 ゆうかさん〉
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私が3歳の頃から、体が悪かった父。難病指定の潰瘍性大腸炎という病気も患っていました。そこから15年間闘病したものの、一昨年、亡くなりました。そんな中で、「自分は大学に行っていいのか、夢を追い続けていいのか」と、自分自身に問いかける日々が続きました。当時の心情を今でも鮮明に覚えています。
しかし、私は幸いにも、あしなが奨学金を受けることができました。今は大学で勉強に専念し、中高の教員になるために教職課程の授業を受けています。学科の勉強とは別に、障がいへの理解を深めようと障害福祉についても勉強しています。
こうして、自分がやりたいと思うことができているのは、あしながさんのおかげです。感謝してもしきれません。
あしながさんからいただいた恩をお返しできるように、そしてまだ見ぬ後輩遺児たちのために、あしなが学生募金事務局にも所属して活動に励んでいます。遺児たちが夢を追い続けられるような社会を目指して、私は今日も自分にできることを全力で、取り組んでいきます。
あしなが学生募金は、アフリカ遺児支援のためにも活動しており、あしなが育英会の「アフリカ遺児高等教育支援100年構想」(以下、100年構想)を応援しています。
100年構想とは、サブサハラ・アフリカ地域49か国の各国から毎年1人ずつ優秀な遺児を選抜し、日本をはじめ世界の大学で学ぶ機会とリーダーシップ育成プログラムを通じて、社会に貢献する志を持ったリーダーを育てる活動です。2014年度に始まり、2023年度までに300名以上の学生が大学留学をかなえています。
日本の大学に留学している100年構想生のなかには、あしなが育英会が運営する学生寮「心塾」で、日本人奨学生とともに暮らしている仲間もいます。あしなが学生募金は、この活動に賛同し、応援しています。
日本に留学中のアフリカ遺児奨学生の声をご紹介します。
<エマニュエルさん ブルキナファソ出身>
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『平和構築は路上生活の子ども支援から』
私が生まれ育ったブルキナファソでは、シングルファーザーが子どもの面倒をみることが、あまりよく思われていません。そのため、経済的理由で両親が結婚出来なかった父は私が8歳の時に私を親戚の家に預けました。ただ、その家族には5人の子どもがいて、私はその子どもたちと同じように扱われることはなく、家庭内で暴力も受けていました。高校の入学試験を受ける時期にも、私は、薪を積んだ重い荷車を押して、近所に薪を配る仕事をしなけ ればならず、その時は試験に合格することはかないませんでした。
そして私は思ったのです。「もう二度と同じことはしない、たとえぶたれようと、何が起きようとも、自分がやりたいことをやる、勉強に打ち込む」と。その時の決意が今の自分をつくったと思います。
私の志は、人々が互いに争うことのない平和な国づくりに貢献することです。そのためには、犯罪や反社会的行動といった危険にさらされている人々へ、生きる力と自信を与えることが必要だと思っています。私は、そのような危険に見舞われやすいストリートチルドレンを対象に支援活動を続けています。私が立ち上げたChildren's Smileは、これまで4年間の活動で、約2,000人のストリートチルドレンと関わってきました。
子どもたちが路上で生活せざるを得なくなった原因の一つは慣習です。一部のコミュニティでは、子どもがまっとうな人間になるためには路上で物乞いをし、人生の厳しさを学ぶ必要があると考えています。他には、家庭内で暴力を受けて家を飛び出したり、親が高齢で面倒をみてもらえなくなって都会に出てきたり、両親を亡くした子どももいます。このような間違った認識や子どもを取り巻く状況を改めるには、社会を巻き込んでこの問題を解決していく必要があると考えています。
アフリカの国々にとって平和構築は大きな課題です。日本は紛争に巻き込まれていない国であり、平和構築を目指すアフリカにとってモデルとなります。
私の国にかつていたのは、地域社会のことより自分の利益を優先するリーダーでした。私はこれを変えるために、将来は自国の大統領になりたいと思っています。100年構想プログラムに参加した瞬間から今日まで、自分自身の中でプラスの変化が生まれています。あしながさんがいなければこんなことはあり得なかったと思います。この支援はアフリカ出身の遺児学生に新しい人生観や成長の機会、そしてまったく違う人間になる機会を与えています。
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出所:一般財団法人あしなが育英会, 『アフリカ遺児支援レポート2025年冬号』(p6) (2024年12月18日発行)
日本の大学進学率は年々上昇し、高校は全入時代になったと言われています。そして高校は、大学進学のための準備機関と変わりつつあります。また、大卒と高卒の格差は広がり、選択肢の数にも大きな差があります。
現代の社会システムにおいて、取り残されようとしている、または取り残されている子どもたちがいます。それは、私たちが支援している子どもたちです。
病気や災害、自死などそれぞれの理由で親を亡くした子どもたち、親が障がいにより十分に働くことが困難な家庭の子どもたちにとって、自分の将来を自由に決定することは、当たり前ではありません。経済的な問題だけではなく、家庭環境による副次的な問題も背景にあります。
また、そのような家庭の子どもたちは、声をあげて良いことすら知らないことが多いです。しかし、私たちは、そんな彼らの孤独感、将来への不安に寄り添える立場にあります。多くの後輩たちの代弁者として、「誰も取り残さない未来」の重要性を伝えていきたいです。
同様の問題を、日本だけでなく、アフリカ諸国でも抱えています。
国境を超えて、社会から取り残されている子どもたちの力になりたい。
「誰も取り残されない未来」を目指して、私たちは募金活動を行っています。
全額を「一般財団法人あしなが育英会」に寄付します。
半分は病気・災害・自死などで親を亡くした子どもたちや親に障がいがある子どもたちの奨学金として、残り半分はサブサハラ・アフリカの遺児の高等教育支援費として使われます。