ラーニングサポート
プログラム
LSP
LEARNING SUPPORT PROGRAM
未来へつなげる学びのバトン
オンラインでの学習サポート
あしなが育英会では、2020年10月より、小中学生学習支援プログラム「ラーニングサポートプログラム(LSP)」を実施しています。親を亡くした小中学生の子どもと、本会の大学奨学生を中心としたラーニングサポーターが1対1のペアを組み、毎週1回、1時間の学習支援セッションを行うプログラムです。LSPの最大の特徴は、自らも困難な体験を持つ「あしなが奨学生」を中心とした大学生たちが、サポーターであることです。継続的なオンライン学習支援を通じて、同じ遺児の先輩として子どもたちの伴走者やロールモデルになることが期待されます。
-
家庭の経済状況を背景にした子どもの学力や生きる力の格差は顕著で、高校入学前には大きな不利が生じています。さらに遺児家庭においては、ロールモデルや情報の不足が、進路選択に与える影響も大きくなります。そこであしなが育英会は、親を亡くした子どもたちが抱える、奨学金だけでは埋められない問題の根本的な解決を目指して、小中学生を対象とした学習支援「LSP」を開始しました。
-
LSPはオンラインプログラムであるため、参加する小中学生が通信環境やタブレットなど通信機器の有無、家庭環境などに左右されず学習できるよう、必要な機器等は、あしなが育英会から無償貸与しています。コロナ禍で対面の支援が難しい環境にあっても、オンラインで大学生サポーターとつながり、一緒に勉強することができました。
プログラムを通して、身近なお手本になるロールモデルとの出会いや、少し先の未来について考える機会を子どもたちに提供するキャリア教育の場にもなっています。
オンラインイベント
個別の学習支援だけでは得にくい「さまざまな大学生との出会い」、「異文化コミュニケーション」、「より良い社会、世界について考える」などの体験機会を提供できるよう、定期的にオンラインイベントを実施しています。外部団体と協力してイベントを行うこともあります。
これまでに、大学生サポーターが自分のライフストーリーを語る「ロールモデルカフェ」、英語を母語とする職員が担当する「英語レッスン」、楽しく交流する「クイズイベント」など、子どもたちが興味をもって参加し、視野を広げられるイベントを開催してきました。
「ロールモデルカフェ」では、『中学生時代に大学進学は考えてなかったけれど、なぜ大学進学を選んだのか?』、『少しでもやりたいと感じたらなんでも挑戦! 世界中を飛びまわって多くの人を助けることが夢』、『アフリカの国ケニアから生中継! 外国で働くってどんな感じ?』、『将来はお医者さんに! どんな苦労を乗り越えてきたのか?』など、バラエティ豊かなテーマで大学生サポーターが話してくれました。
小中学生の子どもたちが大学生と一緒に勉強するだけではなく、ロールモデルの姿を見て「自分も挑戦したい」、「世界に目を向けてみたい」と思えるようなきっかけづくりに取り組んでいます。
プログラム開始の背景
日本では、高校の授業料無償化に続き、2020年の4月から、大学等(短大・高専・専門学校等)でも授業料減免と給付型奨学金が導入されました。あしなが育英会のような民間の奨学金制度と、新しい国の制度を組み合わせることで、以前と比較すると、進学時の学費負担は低減しています。
一方、調査研究によると、家庭の経済格差を背景とした学力格差が小学校4年生ごろから大きく開き、学年が上がるにつれて、低学力層から抜け出せる可能性は低下していくことが明らかになっています。
学習塾などの学校外活動の量や質の差によって、子どもの学力や情操、自己肯定感に格差が生まれやすくなっています。
特に、遺児家庭や親が障がいを持つ家庭においては、経済的な理由で学校外活動の機会が少ない、または保護者の就労や家族のケアなど様々な理由で家庭に学習環境が作りづらい、という状況があります。そのような家庭の子どもたちに対して、学習意欲を高め、継続的に学びをサポートできる支援が必要だと考え、LSPが始まりました。
参加者の声
【小中学生】
・LSPはとても楽しいです。先生は聞き上手でじっくり話を聞いてくれます。まるでお母さんに話すようになんでも話せます。勉強面でもいつも丁寧に教えてくれるお陰でたくさん学習時間を確保できているのがとても嬉しいです。(兵庫・中3)
・「興味ないな」と思っていた分野に興味がわいてきた。歴史には興味がなかったけど、武器の話や戦国時代の話を聞いて、伝記や日本の歴史の本も読むようになった。(三重・小5)
【大学生サポーター】
・最初はやはりどちらも緊張していたが授業を重ねていくことによってお互い信頼し合い目標に向けて学べていけたと思う。また、最初は算数だけだったが、今では他の科目やディスカッションなど色々な分野の勉強にも挑戦していってる。(東京・大2)
・私がLSPを通して学んだことは、「学びは一通りではない」ということです。人によってこれまで何を学んできたか、そしてこれから何を学んでいくか、どのようにして学んでいくか、は実に様々です。様々なかたちの「学び」を尊重しながら、そして学びの機会に一緒に立ち会いながら時間を過ごせる喜びを実感しています。(宮城・大3)
【小中学生の保護者】
・学習のみならず、心理的サポートもしていただけます。また、毎週同じパートナーと学習することで、こちらの苦手や傾向を的確に判断指導していただけて、大きな成果が出ます。(千葉・小6の母)
・教えてくれるお兄さんが、子供の目標になる。素敵なお兄さんらしくて、子供もいつも話題にあげている。ロールモデルになってくれていると思う。(埼玉・小6の母)
協力企業
オンラインで行う学習支援の効果を高め、大きなインパクトを生み出すために、プログラムの趣旨にご賛同いただいた以下の企業から、プロボノで無償協力をいただいています。
atama plus 株式会社
「『分かる』『できる』という驚きを学ぶ楽しみにつなげるために」
・学習を個別最適化するAI 教材「atama+」を提供
・「atama+」活用に向けた職員・大学生向け研修を実施
株式会社やる気スイッチグループ
「自分で自分の人生をデザインする力を養うために」
・個別指導塾「スクールIE」講師向けe-learning を提供
・個性診断テスト「ETS」を生徒および講師に提供
・職員向け個別指導管理者研修の実施
ラーニングサポートプログラム関連記事
活動紹介
activity