奨学生OB・OGの近況報告〈1〉
昨年10月、あしなが奨学生のOB・OGに近況をたずねるアンケートを実施しました。
卒業後、さまざまな思いを胸に仕事や家庭に向き合っているみなさんの声をご紹介します。
今でも大切な仲間です
高校生の時からあしなが奨学生でした。奨学生のつどいや募金活動で出会った東北地区の仲間たちとは、今でも連絡を取り合っています。社会人になり、つらいことがあったときも話せる大切な仲間です。あしながの活動をしていて本当に良かったと、働きはじめてから実感しました。あしながの活動や後輩のみんなを陰で応援しています。(20代・女性)
子育てしながら保健師に
二児の母として子育てをしながら、行政保健師の仕事をしています。今は新たに、子どもたちの身体とココロを守るために性教育を広げていこうと、思春期保健相談士の資格取得のため勉強しています。自分の学びたいことを学べる環境を与えてくださったあしながさんに感謝しています。(30代・女性)
素直な気持ちを言えた初めての場所
働きだして15年を超え、結婚して10年が経ちました。小学生の頃に父を亡くしてから30年近くが経とうとしています。自分の子どもが当時の自分の年齢に近づくにつれ、その頃の両親の思いを考えることが増えました。子どもを残して逝く無念さや、残された母親の芯の強さ(そうあらねばならなかった)が、痛いほど身に沁みるようになりました。あしなが育英会では、同じ境遇の人たちと交流をしました。素直な気持ちを吐き出すことができた初めての場所です。
現在は、特別支援学校で児童生徒と過ごす毎日です。それぞれ様々な事情を抱え、その人なりの苦労を重ねていることを理解して人と接することができるのは、自身の経験や、あしながさん、奨学生の経験談などに支えられていることが大きいのだろうと思っています。親を亡くした子どもにとってあしなが育英会は、貴重な財源と経験、仲間を与えてくれる大切な存在だと思います。(30代・女性)
「奨学生の頃に培った人間関係や経験が、卒業後も財産になっている」というコメントが多く見られました。
コロナ禍以前のようにイベントなどを行うのがむずかしい現状ではありますが、あしなが育英会ならではの人との出会いや新たな体験の機会を、現役奨学生にも可能な限り届けたいと願っています。
今後も引き続き、OB・OGのみなさんの近況をご紹介していきます。次回もぜひお読みください。