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あしなが心塾(東京)でイングリッシュ・フェアー開催 ~楽しく「生きた英語」を体験しよう~

2025年6月22日、あしなが育英会が運営する大学奨学生のための学生寮「あしなが心塾(以下、心塾)」(東京都日野市)で、英語学習イベント「イングリッシュ・フェアー」が開催されました。

 

本会は、心塾で暮らす奨学生たち(以下、塾生)が卒業後に社会で活かせるスキルを身に着けられるよう、さまざまなカリキュラムを用意しています(無償)。ネイティブスピーカーによる「英会話講座」もその一つです。しかし、英語学習にハードルを感じる塾生も少なくありません。

 

「塾生たちに、英語を学ぶ楽しさを実感してもらいたい」と、英会話講座のスタッフが企画したのが「イングリッシュ・フェアー」。対戦ゲーム形式で、英語の「聞く、書く、話す」力を競い合うイベントです。

実践的な英語学習で、自信をつける

イベント参加者は4月に入塾した1年生18人。英語レベルにより2~4人の6グループに分け、3種類のゲームでチーム戦を行いました。

塾生の英語レベルに差があるなか、いかに公平性を保つかという課題もありましたが、英語が堪能な上級生と海外出身のインターン生が、ファシリテーターとして参加者のサポートやプログラムの運営に携わることで調整を図りました。

最初のルール説明から英語で行われ、参加者たちは真剣に耳を傾けます。その後、グループに分かれ、チームメンバー同士で役割分担したり、配られた資料を見ながら英単語を確認したりしながら、ゲームスタートを待ちました。

 

 

英会話講座を担当するスタッフとインターンが司会を行った

ゲーム1.考えを伝える力 【ディベート形式で英語を話してみよう!】

1つ目のゲームは、共通のテーマに対して、賛成派と反対派に分かれて意見を交わすディベート(議論)です。日本ではなじみの薄いディベートですが、欧米では論理的思考、会話力、表現力などを養うために授業や部活動に取り入れられ、盛んに行われています。1回の対戦を35分間とし、「高校生にとって制服はあったほうがいいか、無い方がいいか」といった身近なテーマで、「考えを英語で伝える力」を競いました。

 

まずは、じゃんけんで肯定派と反対派を決め、まずはグループ内で話し合い、主張する内容をまとめます。2チームが順番に意見を交わし、相手チームが反論する形で展開していきました。評価のポイントは、「自分たちの立場の正当性を論理的に伝え、いかに聴衆や判定員を納得させられるか」という点。サポートが必要なチームにはファシリテーターがヒントを与えるなどしながら、参加者全員が英語で意見を述べ、チームの主張を深めていきました。

 

終了後、参加者の一人は、「理系の大学ではディベートの機会が少ないので、貴重な経験になりました。英語で考えることを意識したら、意外とうまく話せて、自信につながりました」と感想を話しました。

 

 

チーム名は、コアラやウサギなど動物の名前

 

 

コアラチーム対ウサギチームのディベートテーマは、「高校生に制服はあった方がいいか、無い方がいいか」

ゲーム2.書く力 【みんなで物語をつくろう!】

2つ目は、ライティング力を競う文章作成のゲームです。物語の最初の1文と最後の1文が示され、間の展開は自分たちで考えるというもの。完成させるために、10から12の文章を作成しなければなりません。物語の良しあしではなく、文法やスペルミスなどが採点対象とされました。


まとまりのある物語を創作するのは、日本語であっても簡単なことではありません。英語力だけでなく、想像力も試されるゲームとなりました。頭を悩ませる人がいれば直観でスラスラと書く人もいましたが、各チームで、どうしたら話が広げられるかをあれこれと話し合う様子が見られました。

 

ゲームを終えて参加者たちは、「整合性を取るのが難しかったですが、完成したときの達成感がありました」、「どうやって話を繋げるか、どうやって最後に終わらせるか、自分たちで考えて自由にストーリーを創作できるのが楽しかったです。またやりたいです!」などの感想を語りました。

 

 

各チーム、起承転結がうまくまとまるよう頭をひねる

ゲーム3.聞く力 【英語を聴いて描いてみよう!】

 

最後のゲームは、状況を表す文章もしくは絵を手がかりに、その情景を描き出すというものです。チームの1人が、英語で書かれた100から200字の説明文を読み、残りのメンバーが、聞いた内容を頼りに小さなホワイトボードに絵を描きます。お題が絵の場合は、絵を英語だけで説明し、聞いた者が絵で再現することになるため、さらに難易度が高くなりました。

 

今回は、英語力に加えて画力も求められるゲームとなり、皆、悪戦苦闘しながらも真剣に取り組みました。普段、絵を描かない参加者にたちは、英語よりも「絵で表す」こと自体に苦戦した様子。あちこちから笑い声が聞こえてきて、会場は楽しい雰囲気に包まれました。

 

ゲームを経て、「絵を描くのが難しかったです。説明には正確さが必要だと実感しました」と語った参加者。母語以外の言語で実践的な会話をしたからこそ、新たな気づきを得ました。

 

手前のスタッフが説明文を読み、奥の塾生2人が相談しながら絵で表現していく

表彰式

今年度初のイベントとなった今回、優勝したのはコアラチーム。受賞チーム特典として、TOEICの無料受験権が贈られました。

イングリッシュ・フェアーの企画を担当し、塾生たちの学びを側で支えてきた英会話講座のスタッフは、次のように締めくくりました。

 

英語上級者も初心者も楽しめるような学習ゲームの構成を考えるのが非常に難しかったです。英語レベルに応じた問題を作成し、各グループが自分たちの力を使って最大限に挑戦できるよう工夫しました。

 

(入塾直後の)4月は、間違いを怖がり英会話に尻込みしていた塾生たちが、このイベントの間じゅう、リラックスして英語を使っていたのが印象的でした。普段は恥ずかしがり屋で英会話に消極的な学生も、いつもより活発に自信を持って話す姿が見られ、イベントまでの短い時間だけを見ても、塾生たちの成長を感じることができました。

 

そして、ファシリテーターを務めてくれたインターンや上級生が、大きな役割を果たしていたと思います。次回は12月に実施予定です。さらに良い形にしていきたいと思います!

(ニコラスさん)

 

ファシリテーターとして参加者をサポートした大学4年生の学生たちは、「4月に入塾した新入生にとっては、お互いをよく知るきっかけになったのではないでしょうか」、「創造力を高める良い機会だったと思います。第2言語として英語を使う自分自身にとっても学びがありました」と、感想を語りました。


表彰式にて、2位のウサギチーム(サムネイル写真が優勝したコアラチーム)

 

◇◇◇

学生寮・心塾について

あしなが育英会は、首都圏と関西の大学に進学する遺児や親に障がいがある子どもを対象に、学生寮「あしなが心塾」(東京都日野市)と「虹の心塾」(兵庫県神戸市)を運営しています。親を失くしたり、親が障がいで働くことができない家庭の学生たちは、奨学金で高校に進学できても、首都圏や関西圏の大学や短大に一人暮らしで進学することは経済的に困難です。仕送りなしで大学生活を送れるよう、寮費は月1万円で、朝・夕食が付き、水道光熱費の負担もありません。

 

「礼儀・挨拶」を重んじ、集団生活や独自のカリキュラムなどを通じて、「暖かい心」「広い視野」「行動力」「国際性」の4つの普遍的な主要能力を身につけてもらい、人類社会に貢献する人づくりを目標としています。東京と神戸あわせて100人以上の奨学生が生活しています。



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投稿者

山岸 輝子

開発コンサルティングファーム、日系ビジネスコンサルティングファームなどで人事総務に20年以上従事し、2022年に入局。アメリカ西海岸とベトナムの在住経験あり。現在は学生寮「あしなが心塾」(東京)で日本人奨学生・留学生の生活支援に携わっている。

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