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数学の点数が3倍に!atama+を活用するペアが語るLSPの魅力とは?【LSPインタビュー vol.10】

 

あしなが育英会は2020年10月より、小中学生対象の学習支援「ラーニングサポートプログラム(LSP)」という取り組みを行っています。LSPでは本会奨学生の大学生が中心となり、遺児家庭の小中学生にオンラインで学習指導を主とするサポートをしています。   

 

◇ラーニングサポートプログラム(LSP)の詳細はこちら  

 

 

今回は、atama+を活用してLSPを行っている大学4年生のLS長谷川灯さんと中学2年生のLRサヤカ さんにインタビューしました。教員を目指す長谷川さんと数学の苦手を克服したく学んでいるサヤカさんのペアがどのようにatama+ を活用して、何を学んでいるのか、お話を聞きました。

 

 

※LS:学習サポートをしているあしなが育英会奨学生を中心とした大学生    (ラーニングサポーター)
※LR:学習のサポートを受けている遺児家庭・障がい者家庭の小中学生 (ランナー)

 

atama+とは?

「atama+」とは、atama plus株式会社が開発したAIを用いた学習システムで、自分専用のカリキュラムを作ることができる教材です。
あしなが育英会では、2020年よりatama plus株式会社からプロボノで協力を受けています。LSPの毎週1時間のセッションでは、LRの予定や目的に合わせた短期・長期目標を設定し、LSとオンラインで通話しながら学習を進めています。
LSは学習状況をリアルタイムで確認できる「atama+COACH」を使用し、LRが問題を解いている時にアドバイスや声掛けを行います。AIだけに頼るのではなく、人にしかできないコーチングも掛け合わせることで、LRの学習意欲や自信につながるサポートをしています。

 

 

――長谷川さんとサヤカさんについてそれぞれ 自己紹介をお願いします。

 

 

新入生歓迎会の出し物で学生服を着てダンスを踊ったときの長谷川さん

 

 

長谷川さん:千葉県出身の大学院前期課程1年生で、中学校・高校の国語科の教員を目指しています。国語教育学を学ぶために春から大学院に進学しました。学部の4年間では、主に日本近代文学を学び、卒業論文では芥川龍之介の「羅生門」についての研究を行いました。部活は吹奏楽部でチューバとマーチングの旗を振るカラーガード を担当しています。

 

 

マーチングで長谷川さんがカラーガードを務める様子

 

 

 

サヤカさん:宮崎県出身の中学3年生です。今は兵庫県 に住んでいます。私も吹奏楽部に所属していて、スネアドラムやティンパニーなどの打楽器パートを担当しています。

 

 

――おふたりとも吹奏楽をやっているのですね!おふたりがLSPに参加しようと思ったきっかけを教えて下さい。

 

長谷川さん:教員になりたいので、教育に関わるボランティアを探していた時に、activo(ボランティア求人サイト) であしなが育英会がボランティアを募集しているのを見つけたことがきっかけです。私自身が私立高校出身で、似たような比較的恵まれた家庭環境で育った友達としか関わってこなかったため、教員になるにあたりいろんな背景を持った子どもたちと関わりたいと思っていました。

サヤカさん:私は元々成績があまり良くなく、特に数学が苦手で、母からLSPの話を聞き、やってみようと思い参加しました。

 

「atama+で毎回テストの点数が上がっています 」

 

――LSPセッションではどのようなことを行っていますか?

 

長谷川さん:基本的に数学を中心にatama+を使って進めています。余裕があるときは初めに長めに雑談の時間を取って、テスト前はなるべくatama+の時間を多く取るようにしています。また、学校の進捗状況を必ず確認して、今日はどこまでやった方がいいかを2人で相談して決めています。

 

サヤカさん:定期テスト前には週2回にセッションを増やすか、1回のセッションを2時間に増やしてもらい勉強しています。テスト前は数学に限らず苦手な教科を勉強しています。

 

 

――LSPのセッションでatama+をどのように活用していますか?

サヤカさん:atama+の初めに行う目標設定で、毎回の定期テストで平均点以上を取るように目標を決めて取り組んでいます。基本的に授業で習ったことの復習に使っていて、時間に余裕がある時は予習もしています。

 

 

長谷川さん:atama+自体が講義動画と演習を繰り返すシステムがしっかりしているので、LSとして、シ ステムに沿ってサポートを行っています。講義の後の練習問題ではわからない問題があればヒントやアドバイスを多めに出しています。その後の演習問題ではどれくらいわかっているのかを確かめるために助言は少なめに出しながら進めて、サポートの内容がいつも一定にならないように意識しています。

 

1人で黙々と問題に取り組むのではなく、コミュニケーションを取りながら進めることで、サヤカさんが自分の考えを言語化する機会になっていると思います。セッションの回数を重ねるごとに、「ここがこうなってこうなりますよね」と自分から説明してくれるようになりました。

 

 

サヤカさん:自分で考えたことを説明するので、長谷川さんと問題を解くプロセスを一緒に考える ことができて勉強になります。例えば数学の証明問題では、まずは自分で考えて答えてみて、その後に長谷川さんと一緒に考えることで「ここがこうなるからこうなる」と論理的に理解することができます 。それに長谷川さんが「例えば」と例を出してくれてイメージがしやすいです。このように私が考えている時はしっかり見守ってくれて、わからないところがあれば一緒に考えてくれます。

 

 

――長谷川さんはatama+ COACHをどのように活用していますか?

 

長谷川さん:私が画面を共有して一緒にatama+に取り組んでいるので、進捗を確認するというよりは、セッションの前に「前回どんな問題がわからなかったか」を確認するためにatama+COACHを使っています。セッション前に前回間違えた問題を確認し、次どういうことをするといいのかを考えています。

 

 

――atama+を使っていて、学校の授業やテストで役に立ったと感じることはありますか?

 

サヤカさん:定期テストの点数が毎回上がっていっています。3つ前の試験では数学が17点だったのですが、最近の学年末試験では58点まで上がりました!

 

 

――倍以上の伸びですね。素晴らしいです!

 

 

正しい考え方に導く存在

――長谷川さんは、atama+を使って学習する見守り役であるLSはどのような存在であると考えていますか?

 

長谷川さん:LSは、LRになんでできたのか・できなかったのかを気づかせることで、正しい考え方に導く存在であると考えています。誰でも、問題が解けたり解けなかったりすると一喜一憂して感情が動くと思います。でも、できたかできなかったかはあまり重要ではなく、「なんでできたか」「なんでできなかったか」が重要であると考えています。正しい考え方を身につけるために、できたなら「どんな考え方をしてできたのか」、できなかったなら「何がわからなくてできなかったのか」を考えることが大切だと思います。

 

 

――おふたりの視点でatama+のいいなと思うところはどこですか?

 

長谷川さん:atama+の良いところは苦手の大元の原因がわかる点だと思います。私は塾でも教えていて、中学生の平均的な苦手傾向はわかるのですが、個人の苦手の原因となると見つけるのがすごく難しいです。 それがatama+だとAIが個人に合わせて発見してくれるので、しっかりと学習者に合った対策をできるところがとても良いシステムだなと思います。

 

 

オンラインでサヤカさんとLSPセッション中

 

 

サヤカさん:中学校 の授業は小学校の時に比べて進むのが早くて、先生によってもスピードが早かったりします。なので、学校の授業でわからなかったところをatama+で自分のスピードに合わせて勉強できるところがとても助かっています。数学だけでなく社会も進むスピードが早いのですが、定期テスト前にatama+で社会に取り組んで自分が覚えきれていないところを効率的に見つける ことができています。

 

 

――LSPを通して新しく学んだことはありますか?

 

長谷川さん:1つは、遺児家庭に対して漠然と大変そうだというイメージがあったことに気づいたことです。実際にLSPを通して遺児家庭の子どもと関わってみて、親がいないからというだけで不幸せなことはないという、あたりまえなことに気づくことができました。

もう一つは、オンラインの学習形態でもしっかり関係を構築できることを実感しました。最初はオンラインだと身振り手振りがわかりづらく、雰囲気を感じ取れないので仲良くなるのは難しいのではないかと思っていました。しかし回を重ねるごとに、話が盛り上がったり、お互い笑顔になることが増えたり、知らないことを共有し合ったり、どんどん距離が縮まったと思います。オンラインでの学習も1つの学びの方法であると、学習形態に対する自分の視野が広がりました。

 

 

サヤカさん:自分の将来の決断をするときの考え方を学んだと思います。私は将来美容師になりたいと思っているのですが、今韓国にも興味があり進路に迷っています。そんな時にちょうど前のセッションで長谷川さんが自分の興味のある分野が学べる近畿の高校を調べてくれて、「自分の興味のあることを大切に、早く決めすぎずちゃんと考えて選んだほうがいい」とアドバイスしてくれたことが、とても心に残っています。

 

主体的に選択できるように

 

――将来の夢ややってみたいことはありますか?

 

サヤカさん:今は美容師になりたいと思っています。父と祖母と叔母がみな美容師で、祖母の家は美容室を営んでいたので、近くで見ていて自分もやってみたいと思いました。中学1年生のときから仲のいい友達も同じ夢を持っているので、将来一緒にお店を開けたらいいねと話しています。

 

 

長谷川さん:私は生徒が主体的に考えて、選択して、決断できるようになるきっかけを作れるような教員になりたいと思っています。自分の高校や大学が主体性を大切にする校風で、先生たちも私がやりたいことを第一に考えてくれました。自分が2択で迷っていると3つ目、4つ目と新しい選択肢を出してきてくれるなど、「こんなにたくさん選択肢があるんだよ」ということを気づかせてくれる先生に恵まれたと思います。なので、将来は自分もそんな先生になりたいです。

 

 

――サヤカさんはLSPを通してこれから何を学んでいきたいですか?

サヤカさん:これからもテストで平均点以上をとるという目標に向けて勉強して、数学の苦手分野を減らしていきたいです!

 

 

――長谷川さんはLSPを通して次世代の子どもたちに何を伝えていきたいですか?

 

長谷川さん:主体的に選択することの大切さを伝えていきたいです。
私自身、高校の個人課題研究の時間に、元々教育に興味を持っていたのですが、教育の中でも専門性を深めなければと思い込んでいて 視野が狭くなっていました。そんな時に先生が「あなたが興味があるのは教育だよね。ならこういう方向もあるんじゃない?」と自分が見えていなかった選択肢を見せてくれたことがありました。そのアドバイスのおかげで個人課題研究では高校国語科における指導案を作成し、それが大学での学びにも大きく繋がりました。

高校生の時の私のように、発達段階における特徴として視野が狭くなりがちな子もいると思いますが、子ども達は様々な経験を重ねていく中で学んでいきます。その中で選択肢は無数にあって、個人には自分で選ぶ権利があり、何回選び直してもいいということを伝えたいなと思います。

 

 

高校での経験が大学での学びに繋がり、「羅生門」をテーマに作成した長谷川さんの卒業論文

 

 

 

――LSPに参加するか迷っている人にメッセージをお願いします!

 

サヤカさん:もし迷っていたらぜひ一回参加してみてほしいです。やっていくうちにどんどん楽しくなっていくと思います。

 

 

長谷川さん:LSPは様々な人との出会いが魅力ですが、多様な価値観や考え方に触れる中で、自分自身の中での新しい気づきや成長に出会えることも大きな魅力の一つだと感じます。皆さんと同じサポーターとして出会えることを、私自身とても楽しみにしています。

 

 

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