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【子どもの貧困対策を前へ】あしなが大学奨学生と職員が政府審議会委員に

お知らせ 2025.12.04

こども家庭庁に設置されている「こども家庭審議会(※)」の部会委員を務めている、あしなが育英会の大学奨学生と職員がいます。都内の大学に通う金井優佳さん(大3)と、本会寄付課長の富樫康生職員です。

 

金井さんは高校時代からあしなが奨学金を受け、現在はあしなが学生募金事務局の首都圏エリアマネージャーとして精力的に活動しており、若者かつ当事者という立場で「基本政策部会」と「こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会」(以下「こどもの貧困対策部会」)の委員に就任しました。

 

また富樫職員は、2019年9月から2025年6月までの約6年間、奨学課長として奨学生の採用や送金、また生活状況の把握などを担ってきました。奨学生世帯の実態に明るく、本会を代表して「こどもの貧困対策部会」委員に就任しています。

日本の子どもの貧困対策を前に進めるために、当事者として、また遺児家庭と障がい者家庭の代弁者として部会に臨む2人を取材しました。


※こども家庭審議会
内閣総理大臣またはこども家庭庁長官の諮問機関として、こども家庭庁に設置される審議会。専門家や関係者、そして当事者からなる委員が、子どもや家庭を取り巻く様々な課題について審議しています。また、審議会の下には、具体的な政策課題について検討する8つの専門部会が設置されています。

 

 

基本政策部会(2025年9月22日)

2025年9月22日、「第17回基本政策部会」が開かれました。基本政策部会は、子ども政策全体の方向性を議論する部会です。この日は、最近の子ども政策の動きや、子ども・若者政策のアクションプランである「こどもまんなか実行計画2026」の策定に向けての意見交換がされました。


金井さんにとって、就任後初めての基本政策部会です。「高校3年生のときに父親がガンで亡くなり、あしなが奨学金を受けていると当事者です」と自己紹介し、「後輩遺児があげられない声なき声を言語化し、意見として発言していきたい」と力強い意気込みを語りました。また、意見交換の際は真っ先に手を上げ、子どもの居場所支援の重要性を訴えました。特に地方部では安心して過ごせる居場所が不足していることを、当事者視点から指摘しました。

部会を終えたあとは、「当事者として、若者としての意見を積極的に出し、子どもが生きやすい社会づくりに貢献していきたい」と話しました。

 

意見を述べる大学奨学生委員

基本政策部会で意見を述べる金井さん

こどもの貧困対策部会(2025年10月9日)

10月9日には「第6回こどもの貧困対策部会」が開かれ、金井さんと富樫職員が出席しました。この日は、有識者、支援団体、自治体、そして当事者というさまざまな立場の委員により、子どもの貧困やひとり親支援の課題について意見が交わされました。

金井さんは、「ヤングケアラー相談などの支援情報が、当事者である子どもたちに届いていない。スマホで検索しても情報にたどり着けない」と発言。「子ども自身が辛いと思ったときに、情報にたどり着けないのは問題だと思います」と意見を述べました。

また富樫職員は、「現在講じられている対策は、保護者の就労を前提したものが多いが、あしなが奨学生世帯の中には健康状態などの理由から、働きたくても働くことができない保護者が一定数いる」と指摘しました。

 

部会終了後、富樫職員は本会の取材に対し、「本会はこれまで、遺児の問題を切り口に、厳しい状態にある子どもたちの問題の改善に取り組んできた。その歴史を継ぎ、子どもとその保護者の代弁者になれるよう、力を尽くしていきたい」と話しました。

 

>富樫職員のインタビューもぜひお読みください

 

こども家庭審議会委員として発言する本会職員

こどもの貧困対策部会で発言する富樫職員(中央)。左は金井さん

子どもの貧困対策を前に進める あしなが育英会の取り組み

あしなが育英会は、長年にわたり、子どもの貧困対策の政策提言に取り組んできました。代表的なものは、2009年に厚生労働省が初めて「子どもの貧困率」を公表した直後から、あしなが奨学生とともに「子どもの貧困対策法」の制定を提言し続けたことです。各党への継続的な政策提言の結果、2013年に、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が衆参両院の全会一致で成立しました。

以降、内閣府「子供の貧困対策に関する有識者会議」(2016~2022年)や、本記事で紹介した「こども家庭審議会」、また複数の地方自治体の子どもの貧困に関する有識者会議で、役職員や奨学生が委員を務め、当事者の声や現場の意見を発し続けています。

当然、政策提言だけではなく、具体的な経済支援や教育支援を通じて、子どもの貧困対策に取り組んでいます。

 

「子どもの貧困」という言葉が生まれるよりも前から続けてきた奨学金事業においては、のべ約6万人もの、経済的困難を抱える遺児たちの進学を支えてきました。

さらに、「奨学生のつどい」や小中学生オンライン学習支援「ラーニングサポートプログラム(LSP)」といった教育支援事業も、子どもの貧困が引き起こす「教育格差」や「体験格差」を埋めるうえで重要な役割を果たしています。

今年7月にあしなが育英会の会長に就任した村田治は、「日本国内においても格差が広がり、絶対的貧困と呼んでもおかしくない遺児家庭の現状が生まれている」と指摘し、「貧困の連鎖を断ち切るためには、高等教育の機会均等をこれまで以上に推進すべき」と話しています。

あしなが育英会はこれからも、子どもたちの可能性が「子どもの貧困」によって閉ざされることがないよう、一丸となって取り組みを続けてまいります。

投稿者

島田 北斗

2016年に新卒で入局。アフリカ事業担当を振り出しに学生寮勤務、学生募金担当などを経て、2025年から広報渉外課勤務。中四国エリア担当(教育事業)も兼務。高校、大学とあしなが奨学金を受けて進学した卒業生でもある。

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