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【全国フォーラムレポート】「子どもの心」支える団体の横のつながりを目指して

あしなが育英会は2026年6月27日(土)、「子どもの心のケア全国フォーラム~子どもの心に寄り添う社会へ」を東京都内で開催しました。


本フォーラムは、子どもの心のケアに取り組む支援団体が、活動上の工夫や課題を共有し、子どもの心を支える全国的なネットワークづくりにつなげることを目的に企画したものです。
当日は会場48人、オンライン90人の計138人にご参加いただき、支援団体の横のつながりの必要性について考えました。 

本記事ではフォーラムの概要を紹介します。基調講演とパネルディスカッションの詳細は、ページ下部の「全国フォーラム講演・発言録」をご覧ください。

基調講演 子どものグリーフサポートのこれまでとこれから

第1部では、一般社団法人髙橋聡美研究室代表で、中央大学人文科学研究所客員研究員の髙橋聡美さんが、「子どものグリーフサポートのこれまでとこれから」をテーマに講演しました。

 

髙橋さんは、自身が約20年にわたり取り組んできた子どものグリーフサポートの実践を振り返りながら、「グリーフとは、大切な人を亡くしたときに生まれる、悲しみや恋しさ、後悔、怒り、不安、罪悪感などのさまざまな反応」と説明しました。


そして「グリーフは一人ひとり異なり、比較や決めつけをせず、その人自身の歩みを尊重することが大切です」と話しました。

講演する高橋さん



さらに講演では、「有害支援」という考え方についても紹介されました。


髙橋さんによると、「頑張って」「早く元気になって」といった善意からの励ましや、「この経験にも意味があった」といった意味づけが、本人を傷つけ、グリーフの主導権を奪ってしまう場合があるということです。


「有害支援は悪意ではなく、社会全体のグリーフリテラシー(理解)が十分ではないことから生じる」としたうえで、学校や地域、職場など、社会全体でグリーフリテラシーを高めていくことの重要性を話していました。

講演後は、会場・オンラインの両方から、高橋さんへの質問が相次いだ

パネルディスカッション 支援の現場から見えてきたこと

第2部では、基調講演をおこなった髙橋聡美さんに加え、グリーフサポートSaChi(北海道)の佐々木一さん、グリーフサポートあいちこどもの森(愛知県)の野々山尚志さん、あしなが育英会神戸レインボーハウスの髙橋耕生職員が登壇し、神戸レインボーハウスの相澤治職員の進行でパネルディスカッションがおこなわれました。

まず各団体が、活動を始めた経緯や現在の取り組みを紹介。そして、活動場所の確保や学校等との連携、支援を必要とする家庭への周知など、活動を続ける中で直面してきた課題について、意見が交わされました。



佐々木さん(左)と野々山さん

 

 

後半では、

  • 他の団体ではどんなグリーフワークをしているのというような実践的な情報交換ができれば、お互いに学び合え、全体のレベルアップをはかれる。また、プログラム運営の人員が足りない時に、助け合うこともできるのでは(野々山さん)

  • 全国の仲間と集まり、お互いの経験を共有できること自体が大きな力になる。いろいろな話を聞くことで、「もう少し頑張ろう」と前向きな気持ちにもなれるのでは(佐々木さん)

  • 団体同士の横のつながりができることで、様々な地域の方からグリーフサポートを受けたいという相談を受けた時に、安心して地域の団体を紹介することができるようになる(髙橋耕生職員)

  • ノウハウは、一つの団体だけでは蓄積できない。難しいケースに直面した時にも、他の団体の経験から学べることがたくさんある。また、団体間に顔の見える関係ができていれば、「私たちも同じ経験をしましたよ」と励まし合うこともできる(髙橋聡美さん)


など、全国の団体がつながるネットワークに期待する役割について議論が展開されました。



神戸レインボーハウスの髙橋耕生職員(右)

学び合い、支え合うネットワークへ

フォーラムには、全国の子どものグリーフサポートや心のケアに取り組む支援団体のほか、教育・福祉・行政関係者、報道機関、一般市民など、幅広い立場の方が参加してくださいました。

石川県でグリーフサポートの活動を始めようとしている心理職の女性は、「グリーフサポートの場をどのように継続していけるのか不安がありましたが、全国各地の団体が情報交換をし、地域の関係者ともつながりながら、それぞれの地域に合った形で活動しているという話をパネルディスカッションで聞くことができ、気持ちが楽になりました」と話しました。

グリーフサポートをテーマに卒業研究を進めている東京都の大学4年生の男性は、「『有害支援』など、研究のヒントになる学びを得られました。これから、活動に携わる人たちに貢献できるような研究をしていきたいです」と意気込みを語っていました。

栃木県から参加した高校3年生の女性は、「私自身も小学校6年生のときに父を亡くしましたが、『グリーフ』という言葉を知ったのは高校2年生のときでした」と自身の経験を振り返り、「今日のフォーラムでの気づきをもとに、支援を必要とする子どもたちに情報が届くよう、グリーフを周りに広めていきたいです」と語りました。

 

 


フォーラムの最後には、あしなが育英会会長の村田治が「互いに学び合い、支え合うネットワークを広げていくことが、結果としてグリーフリテラシーの向上につながり、子どもたちを支える社会づくりにつながっていくと確信しています」と挨拶しました。


閉会の挨拶する会長の村田

フォーラムの詳細は講演・発言録をダウンロード

基調講演やパネルディスカッションの詳細は、下記の「全国フォーラム講演・発言録」からご覧いただけます。

 



全国フォーラム 講演・発言録



投稿者

島田 北斗

2016年に新卒で入局。海外担当を振り出しに神戸の学生寮勤務、学生募金担当などを経て、現在は広報渉外課でメディアリレーションとオウンドメディア取材を担当。中四国エリア担当(教育事業)も兼務。高校、大学とあしなが奨学金を受けて進学した卒業生でもあります。

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