きっと、空の上にも届くよ。~作文集を読んで~
今年2月に、本会が出版した東日本大震災遺児作文集「お空から、ちゃんと見ててね。」を読んだ感想が東北レインボーハウス(仙台・石巻・陸前高田の3つのレインボーハウスを合わせた総称)に届いています。届いた中から印象的だったものをご紹介いたします。
作文集に掲載されている子どもたちの声が、多くの方々に届くことを願っています。
下記の感想文がレインボーハウスに届きました。
1ページ目から心が痛み、涙が溢れ、私はこの一冊読み切るのに何日かかるだろうと思ってしまいました。10人10色、100人100色と言いますが、本当に一人として同じ体験、同じ心の痛みはないんだと改めて感じています。今週末、和歌山市の保育士さん達の元に参りますが、この本も持っていき、この本の子ども達の声も一緒に伝えたいと思います。命を預かるものが心しなければならないことを感じてほしいと思います。心に添うこと、一番難しい事を丁寧に行なっているあしなが育英会に敬意を評します。
こちらの感想を書いた佐竹さんは、東日本大震災が発生した当時、宮城県名取市閖上の沿岸部近くにある「名取市立閖上保育所」の所長をしていました。閖上地区が800人以上の死者、行方不明者という状況でしたが、54人の園児を速やかに避難させ、誰一人として犠牲者を出しませんでした。
東日本大震災から10年経った今でも、全国各地の保育所や幼稚園、そして行政や自治体からも講演を頼まれ、日頃の避難訓練の大切さや、危機管理、防災教育の必要性を訴え続けています。
佐竹さんは現在、東日本大震災の教訓を風化させないよう、語り部(震災を経験した“生の声”を届ける活動)をしているほか、防災教育の市民団体「ゆりあげかもめ」を立ち上げ、会長を務めています。「命の大切さ」「備えることの重要性」など危機管理の必要性について強く語り伝えています。
【プロフィール】
佐竹悦子
平成23年3月:東日本大震災発生 名取市立閖上保育所所長。保育所流出、市職員として避難所対応
平成26年7月:防災教育の市民団体ゆりあげかもめ会長就任。 地域で防災教育を実施
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