【現地レポート】鳥取で3年ぶりの街頭募金を実施しました
5月から12月まで、全国47都道府県を繋いで寄付を募る「あしなが学生募金 全国募金リレー」。10月15日(土)には鳥取県と福岡県、熊本県で街頭募金が行われました。本記事では鳥取での募金の様子と、その中心となって活躍した大学奨学生のつのださんを紹介します。
つのださんは、鳥取県内の大学で農学を学ぶ大学4年生。彼女にとって、今回の募金活動は学生最後の機会となりました。4年生といえども、コロナの影響で長期間活動できていなかったため、街頭に立つのは1年生の時以来3年ぶりで緊張したそうです。それでも、最高学年として1年生の頃とは違う想いや覚悟を持って募金に臨みました。
振り返ると、1年生の頃は「街頭で呼びかけること」そのもので精一杯で、街頭にはどんな人が歩いていて、どんな人が話を聞いてくれ、どんな人が募金してくれるのか、などを見渡す余裕はなかったそうです。しかし、今回は呼びかけ文を熟考する時点から街頭に行きかう人のことを思い浮かべるようになったそうです。
呼びかけの冒頭で、つのださんは学業に対する想いを語ってくれました。
私自身、このあしなが奨学金のおかげで高校、大学進学を実現することが出来ました。私は、父の分まで農業生産、生産物販売に携わるため、父が通った農業高校に進学しました。実践的な面で、農業技術の習得をしようと高校時代は励んでいました。さらに、農業生産の現状と課題、原因を探れるよう、大学に進学し、現在農学を学んでいます。将来は、自分が作った作物で、誰かの健康を支えられる人になりたいです。
大学1年生の頃、あしなが育英会のプログラムでアフリカに位置するウガンダ共和国に1週間訪れた経験のあるつのださん。現地で農機を目にしたことがきっかけで、大学では農機についての研究をしているそうです。
募金終了後、つのださんに感想を聞いてみると、「1年生の頃は親への感謝の気持ちなどは語っていなかったが、今回は自然と親への感謝の気持ちを言葉にしたいと思うようになったことに気が付いた」と語ってくれました。
そんなつのださんは、募金実施中に唯一の母親への想いを以下のように強く呼びかけていました。
中学生の時、仕事から疲れて帰ってきた母に相談事を話したら、明日も仕事があるからと寝てしまいました。家族と話す時間が無いと感じました。現在52歳の母は、私の父が亡くなった後から働いてくれています。そして、私が大学の勉強で忙しく、アルバイトをしていない状況でも、何も言わず見守ってくれています。
私は家族に金銭的余裕をもたらしていませんが、母は家庭の金銭面についての話を私にしません。その為、「子供が金銭的なことを考えてバイト先を賄いのあるところでしている。食費を減らすためだ。」という保護者アンケートの回答を見た時、金銭面についての話を母が黙ってくれていたのではないかと思いました。
また、親への感謝の気持ちを感じたからこそ、あしながさんへの感謝の気持ちもより強固になったことが垣間見えました。
昨年の調査による保護者の声を知り、まず、金銭面の心配をかけないようにしてくれた母と、私に奨学金を送ってくれているあしながさんに感謝しなくてはいけないと思いました。このようなコロナ禍により困窮している家庭がある事を皆さんに知っていただき、受け入れて頂きたいです。そして、かつての私と同じように、家族と話す時間が持てない子ども達にも、進学することを考えてもらいたい。その為に、私はここに立っています。
合計8時間におよぶ街頭募金を終える頃、最後の仲間による呼びかけを聞いているとき、つのださんは思わず眼がしらが熱くなったと言います。
「これまで街頭募金に参加するにあたり、自分自身の辛い過去を毎回反芻せねばならず、それがとても辛かった。でも、今回の募金を終えてその気持ちを乗り換え、新しい自分に出会えた気がしました」と感想を述べてくれました。
3年ぶりの鳥取県での募金では、14万9485円のご寄付が寄せられました。ご支援をくださった皆さまに御礼申し上げます。
また鳥取県での募金は、下記の報道機関に報じられました。一部はリンク先でWeb記事をご覧いただけます。
- 10/16 日本海新聞
- 10/16 読売新聞
鳥取での街頭募金は終了しましたが、ご寄付は引き続き募っています。クレジットカード、銀行振込、口座引落などでご寄付が可能です。現在鳥取県内では130人以上の遺児が奨学金を必要としています。ご寄付で遺児の進学を支えてください。よろしくお願いします。