春は子どもたちの成長が見える門出の季節|神戸レインボーハウス
新しい制服、新しい教室、新しい仲間たち。春は、子どもたちが新しい環境に踏み出す季節です。環境の変化とともに、子どもたちの成長を感じるときが、今年もやってきました。本記事では、神戸レインボーハウスで3月に行われた中学生・高校生の卒業を祝うセレモニーと、新年度初めてのワンデイプログラムの様子をお届けします。
子どもたちの小さな変化
2025年4月13日(日)、神戸レインボーハウスでは「ワンデイプログラム」を開催しました。新年度がスタートして初めてのプログラム。子ども18名、保護者9名、ファシリテーター14名が集い、賑やかなプログラムとなりました。子どもたちが楽しみにしている「あそびのじかん」には、テーブルサッカー(下の写真参照)やスライム作り、ラジコン、野球など、思い思いに遊びました。
また、自分や家族にとって大切な日について話す時間も持ちました。ファシリテーターと会話をしながら 、子どもたちはそれぞれ、自分の誕生日や親の命日、自分にとって大切な記念日などを小さな四角いプレートに書き込み、絵やシールで飾りつけます。作ったプレートを記入した日付どおりに、各月のシートに貼っていき、みんなで「なないろカレンダー」を作りました。
完成後は、全員で一緒にカレンダーを見ながら、一つひとつの日付と、そこに込めた想いについてお話をしました。
職員やファシリテーターは、一緒に遊ぶなかで、子どもたちの変化を感じるときがあります。
小学1年生の男の子は、「僕はね…」と自分のことをよく話すようになりました。小学6年生の男の子は、一緒に参加している兄弟のお世話よりも、自分の遊びを優先できるようになっていました。高校1年生の女の子は、始まったばかりの高校生活について話してくれました。
それぞれ、去年より少しだけ、自分を素直に表現できているように見えました。
テーブルサッカーに熱が入る
自分や家族にとって大切な日を描いたプレートを貼った「なないろカレンダー」を見ながらファシリテーターと話す
中学生、高校生の門出を祝うセレモニーを開催
2025年3月30日(日)には、中学3年生、高校3年生の門出を祝う「レインボーセレモニー」を開催しました。神戸レインボーハウス玄関前のしだれ桜が満開に咲き誇るなか 、子ども10名、保護者5名、ファシリテーター8名で集い、あたたかい笑顔に包まれた一日となりました。
幼児から高校生まで一緒に鬼ごっこを楽しむ、レインボーハウスの“日常”のひとときを過ごしたほか、「今だからこそ、亡き親に伝えたいこと・言ってほしいこと」というテーマで話す時間も持ちました。
子どもたちは、率直な思いを表現してくれました。
「育ててくれてありがとう。」(高校3年生・女子)
「大学決まったよ 。」(高校3年生・女子)
「産んでくれてありがとう。」(中学3年生・男子)
「卒業おめでとう、と言ってほしかった。」(中学3年生・女子)
プログラムの後半は、保護者も交え、卒業生を祝う時間です。子どもたちと保護者が、神戸レインボーハウスでの人との繋がりやこれまでの経験など、思い出を語ってくれました。3歳からレインボーハウスに通っていた高校3年生の女の子は「これからはファシリテーターとして、プログラムに参加する子どもたちを引っ張っていけたらと思います」と頼もしいメッセージを伝えてくれました。
レインボーハウスはこれからも、子どもたちがいつでも訪れ、自分自身を表現できる場であり続けたいと思います。
ファシリテーターや職員からのメッセージを集めた色紙と花束を卒業生へプレゼント
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レインボーハウスのプログラムに関心のある方へ
あしなが育英会では、次の5か所にあるレインボーハウスで、親を亡くした子どもたちの心のケア(グリーフサポート)活動を行っています。子どもたち一人ひとりのグリーフ(grief:喪失に伴う様々な反応)を支えるため、子どもたちの身体の安全はもちろん、心の安心を感じてもらう環境を大切にしています。
お話を聞いてみたい方、プログラムのご参加を希望される方は、お気軽にお問い合わせください。
- あしながレインボーハウス(東京)…全国の遺児が対象
- 神戸レインボーハウス
- 仙台レインボーハウス(東北レインボーハウス)
- 石巻レインボーハウス(東北レインボーハウス)
- 陸前高田レインボーハウス(東北レインボーハウス)
レインボーハウスでのボランティアを希望される方へ
レインボーハウスでのプログラムには、ファシリテーターと呼ばれるボランティアの方が不可欠です。
一緒に遊んだり、おはなしをしたりしながら、子どもたちの気持ちに寄り添います。
2日間の「ファシリテーター養成講座」受講後に、実際のプログラムにご参加いただけます。