10月から半年ぶり値上げラッシュ…遺児家庭への影響は?
9月30日、帝国データバンクが、3024品目の食品が10月から値上げされる予定であるとの調査結果を発表しました。また、政府補助金の終了により、電気料金とガス料金も10月から値上がりします。
多くの人がため息をつく値上げラッシュですが、あしなが育英会が支援している遺児家庭や障がい者家庭が受ける影響は計り知れません。
遺児家庭にとっての値上げラッシュ
あしなが高校奨学生世帯の平均可処分所得は187.8万円です。可処分所得とは、年収から社会保険料と税金を差し引き、遺族年金や障害者年金などの社会保障を加味した「自由に使えるお金」を指します。
全国平均405.8万円との差は2倍以上あり、保護者は非常に少ない収入の中で子どもを育てています。

本会が2025年8月から9月にかけて実施した高校奨学生の保護者調査(*1)の自由記述欄には、「物価が上がって買えなくなってしまったものがたくさんあり、買い物に行く行為自体が辛くて仕方ないです」(新潟県・40代母親)や「身体の不調があっても必死に生活の為に仕事をしていますが、物価が高く生活が楽にならず、医療費もかかり大変な思いがあり不安です」(地域未回答・50代母親)など、物価高に苦しむ数多くの声が寄せられています。
中には「物価が上がって、食べ物も食べられず1日1食で過ごしています。生きているのが辛いです」(兵庫県・40代母親)、「物価高騰が続き、毎日の食事にも困っています。1日3食食べられることは少なく、子どもたちにもつらい思いをさせてしまっています」(岡山県・40代母親)など、物価高の影響で食事の回数を減らしているという声もあり、状況は深刻です。
同調査では、速報値(*2)ではありますが、54.5%もの保護者が過去1年間に食料を買えなかった経験があったと回答しています。
先述の通り、この調査は8月から9月にかけておこなったものです。すでに限界まで家計を切り詰めている家庭にとって、10月の値上げラッシュが大きな打撃となることは必至です。
*1 現在集計・分析中。11月下旬に結果公表予定
*2 オンライン回答と郵送回答のうち、オンライン回答1447件のみを集計した
学びへの影響も懸念
物価高が子どもたちの学び、とりわけ進路選択に影響することも懸念されます。
同調査には、「3人の子供でどの子にも同じように学ぶ機会をあげたいが、物価高騰もあるし、どこかで諦めさせないといけないかと、とても不安」(静岡県・50代母親)、「この物価高、大学進学希望しているのもあり、行かせてあげれるのか不安でいっぱいです。一人親は大変です。毎日の生活で精一杯です」(佐賀県・50代母親)といった声も見られました。
受験を控えた中高生にとって、これからの時期は、出願料や模試代、交通費などの出費が増える時期であり、そのタイミングが値上げラッシュと重なることも気がかりな点です。
高校奨学生のつどいでは、将来の夢や高校卒業後の進路について、班ごとに発表し合った。進学を望む高校奨学生は多い(2025年8月、愛媛県大洲市)
奨学金ニーズ増 求められる支援
本会は2025年度、過去最多となる1878人を高校奨学生に採用しました。申請者は前年度に次いで過去2番目に多い3217人であり、その背景には物価高の影響があると考えられます。
物価高が始まる前から経済的困難を抱えていた遺児家庭や障がい者家庭にとって、値上げラッシュは今日を生き抜くうえでの大問題です。さらに、子どもたちの将来の可能性を狭めてしまう恐れもあり、心配は尽きません。
物価高に苦しむ遺児や障がい者家庭の子どもたちの学びを止めないために、本会は奨学金をはじめとする支援を継続するとともに、なお申請者の4割に奨学金を届けられていない現状を変えるべく、広く社会へご支援を呼びかけてまいります。
また、10月18日から全国で始まる「第110回あしなが学生募金」でも、現状を強く発信し、ご寄付を募ります。街頭募金へのご支援とご協力をよろしくお願いします。

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