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傷ついた遺児の心を癒したのは、人の真心、人の誠、人の愛だった|玉井義臣よりVOL.15

コラム 2024.07.10

いつの時代も変わらないあしながさんの無償の愛は、親を失い、底知れぬ不安と悲しみに突き落とされた子どもたちに、夢を持つ勇気を与えてくれます。あしなが育英会会長・玉井義臣が、60年に及ぶ「あしなが運動」を共に進めてくれた同志、「あしながさん」への想いを綴ったコラムをご紹介します。(機関紙『NEWあしながファミリー』187号掲載の「きょうせい」より)

ピンチを救った”あしながさん”

この4月に全国で行われた学生募金では「高校奨学金申請者の急増に資金追いつかず」の報道に、かつてないほど多くの方々が事前に準備していたお金を携えて街頭に駆けつけてくださった。あるご高齢のご婦人は「こういうときのためにずうっと貯金していたんですよ」と、百円札や五百円札も入った袋を持参された。

 

「あなたたちからもらう葉書がとてもありがたいの」と、本会経由で届いた奨学生からの暑中見舞い状を見せてくださるあしながさんがおられた。「あなたたちは十分頑張ってる。きっといいことある。諦めたらいかん」と心からの励ましの言葉を託していかれる方も。


思えば、私と二人三脚であしなが運動を推し進めてきた岡嶋信治さん(81)は、姉をひき逃げで亡くして絶望の淵に沈んでいた高3生の頃、その悲しみを新聞に投書したことが縁で始まった131人の方との文通によって立ち直った。傷ついた彼の心を癒したのは、人の真心、人の誠、人の愛だった。

 

彼と共に歩いて60年。この間、街頭募金に応じてくださる「一日あしながさん」や、継続的に一定額を送ってくださる「あしながさん」は時の流れの中で交代しつつも、常に子どもたちにあたたかい眼差しを注ぎ、本会が苦境に陥ると一層力強くご支援くださった。


日本の庶民の心意気に満ちあふれ、遺児学生はじめ若者たちの青春を輝かす、世界に誇れる「あしなが運動」を絶やしてはならない。改めて誓ったその日、「他人事にしてはいけないと思いました。少額ですが、関心を持ち続けるためにも継続的な寄付をしていきたいと思います」というメールもいただいた。

 

感謝しかない。

(2024・5・25記)

あしなが運動とあしながさん制度

あしなが運動の開始から、まもなく60年が経ちます。交通遺児の進学支援から始まったこの運動が、遺児自身の「恩送り」活動により現在の形へと発展したことは、今ではもう、あまり知られていないかもしれません。


1979年にできた “どこかの誰かが遺児たちへそっとお金を送る『あしながさん寄付制度』”は、多くの交通遺児の進学を支えてくれました。あしながさんに支えられた交通遺児たちによって災害遺児支援が始まり、支援を受けた災害遺児たちにより病気遺児へと支援が広がり、1993年の「あしなが育英会」創設につながっていきました。


>>>あしなが運動の歴史とあしなが運動年表


あしなが育英会と切り離せないのが、春と秋に全国の街頭で行われる「あしなが学生募金」です。応援してくださるあしながさんには、色々な方がいます。

 

ふと立ち止まり、少し離れたところでかばんの中からお財布を探し、すっと募金してくださる学生さん。

事前に用意した封筒を手に、「頑張ってね」と励ましの声とともに募金してくださる年配のご婦人。

お一人おひとり、それぞれの想いで募金に協力してくださいます。

玉井と岡嶋が初めて行った街頭募金から57年経った今でも、あしながさんの無償の愛は変わっていません。

 

街頭であしながさんに会い、その愛にふれた奨学生たちは、自分の「今」が多くの方のやさしさに支えられていることを知ります。その体験は、大人になってからも、遺児たちを支えています。

 

あしながさんの愛は、いつの時代でも、遺児の心をほぐし、心を育んでくれているのです。

 

 

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