他者を大切に思うこと|玉井義臣よりVOL.16
コラム 2024.09.06
「他者を大切に思うこと」
人生の中で一番大事なものは、どうもこのことではないかという気がするんです。実体験から得た感覚ですが、これが一つの私の結論になっています。
あしながの学生たちには、社会との関係で、誰かに何かしてもらった、大切にしてもらったということを感じてほしい。そして、その愛を感じた以上は何か自分も恩返しをする、その中で成長してほしいんです。
社会から受けたあしながさんの愛というものをもう一度自分の中で発酵させて、行動で社会に返していくということを、これからの人生の中でゆっくり考えてもらえればと思っております。
あしなが育英会が大事にしているプログラムのひとつ「高校奨学生のつどい」は、奨学生が仲間を見つけ、将来を考える時間を持つための、3泊4日のサマーキャンプです。今夏も全国8か所で開催され、合計602人の高校奨学生が参加しました。
上でご紹介したメッセージは、本会会長の玉井義臣が、つどいに参加した高校生たちに届けた言葉です。
つどいでは、あしながさんから奨学生にあてたメッセージが紹介されます。メッセージから伝わるあしながさんの深いやさしさと愛情に触れ、高校生たちは、自分たちがたくさんの方に支えられていることに気づき、感動していました。
仲間たちとの絆や、応援してくれるたくさんの人たちの存在を「つどい」で実感するからこそ、「また明日から頑張ろう」という気持ちを胸に抱いて、それぞれの日常に戻っていくことができます。
「あしながさんから受けた愛を、将来は自分自身が他者や社会に返していくことが大事」という玉井の想いが奨学生たちに引き継がれ、やさしさの輪が世界に広がっていくことを願い、これからもあしながさんの声を遺児たちに届けていきます。