「皆が考動する心塾を目指して」―虹の心塾 新塾生長インタビュー
本会はあしなが心塾(東京都日野市)と虹の心塾(兵庫県神戸市)という、「社会に貢献する人材の育成」を理念に掲げる、人づくりの学生寮を運営しています。
今回は虹の心塾の、第23代塾生長になった真由さんを紹介します。
母との別れと心塾との出会い
真由さんは、高校3年生の夏にお母さんをがんで亡くしました。
父親も4歳の時にがんで他界しており、それ以来必死に働きながら自分を育ててくれた大好きな母との別れに、涙が止まらなかったといいます。
それから、すでに自分の家庭を持っていた兄の家で暮らすことになりました。
心塾のことを初めて知ったのは、母の死後すぐのことでした。
高校の先生があしなが奨学金と心塾のことを教えてくれ、すぐに兄と見学に訪れました。
大学に通うための住まいが必要だったということもありましたが、それ以上に留学生を含む様々な学生と接せられる環境に魅力を感じたといいます。
5歳の時からボーイスカウトを続けてきた真由さん。仲間と一緒に何かをする楽しさは知っていたそうです。
そして2018年4月、真由さんは大学入学と同時に虹の心塾生になりました。
心塾での経験と大切な仲間

心塾のウガンダ短期研修で、ウガンダレインボーハウスを訪れた真由さん(2018年12月)
心塾生になった真由さんは、様々なチャレンジを重ねてきました。
4人部屋での留学生との共同生活、2週間のウガンダ短期研修、本会支援企業での講演、あしなが学生募金のクラウドファウンディングなど、数え切れないくらい多くの貴重な経験をできたと語ります。
そして心塾で様々な経験を重ねるなかで、塾の仲間と親交を深め、かけがえのない親友をつくることができました。
塾生長・初代RAとしての挑戦
大学4年生になるこの春、真由さんは虹の心塾の塾生長になりました。
「先輩たちが作ってきた心塾の伝統を紡ぎたい」と、自ら手を上げたのです。
リーダーをすることに自信があったわけではありません。しかし強い使命感だけはありました。

新入塾生オリエンテーションで、1年生に心塾のルールを説明する真由さん(2021年3月)
心塾では今年から、レジデントアシスタント(RA)制度を導入しました。
熱意ある上級生がRAに任命され、塾のトップリーダーとして自治の主導にあたるという制度です。
真由さんは塾生長と兼ねて初代RAともなり、他の3人のRAとともに塾づくりの議論を重ねています。
どうしたら塾生の主体性が伸びるのか。どうしたら交流が増えるのか。どうしたら自治がうまくいくのか。どうしたら相互理解が深まるのか。
課題は多くありますが、建設的な議論はワクワクするといいます。
真由さんらRAが決めた新年度の虹の心塾のテーマは「考動」。
「一人一人が主体性を持って考動する塾を目指し、頑張ります」と力強く語ってくれました。