【3/8 NHK総合で放送】東日本大震災遺児のあしなが奨学生OBが番組に出演しました
■ 2025年3月12日に一部追記しました。
■ 2025年3月17日に一部修正しました。
2025年3月8日放送のNHK総合の番組『おはよう日本』と『こころフォトスペシャル』に、東日本大震災遺児で、あしなが大学奨学生OBの新田佑さんが出演しました。
新田さんは9歳の時、東日本大震災で母と妹を亡くし、中学卒業までレインボーハウスに通いました。番組では、新田さんが親を亡くした子どもたちを支えるボランティア「ファシリテーター」として活動する様子や、能登半島地震の被災地を訪問する様子、そして震災で亡くなった家族への思いが描かれています。
放送後1週間、NHKプラスで見逃し配信されています。ぜひご覧ください。見逃し配信は終了しています。
◆『NHKニュース おはよう日本』
3月8日(土) 7:00~7:30
※新田さんの特集は7:16〜7:24頃の約8分間です。
◆『こころフォトスペシャル~あなたを忘れない 14年目の手紙~』
3月8日(土) 17:10~17:59
番組でも紹介された新田さんの手紙の全文が、公式サイトで紹介されています。
『こころフォト』番組公式サイト
※NHKニュースのウェブサイトで番組の内容をご紹介しています。
胸にしまっていた悲しみ 14年を経て|NHK NEWSウェブ
レインボーハウスでの経験がくれた新たな目標
2014年、あしなが育英会が岩手県陸前高田市にレインボーハウスを設立した頃から、新田さんはレインボーハウスに定期的に通い始めました。本会が2021年に出版した『お空から、ちゃんと見ててね。作文集・東日本大震災遺児たちの10年』には、新田さんの手記が掲載されています。
当時小学生だった私にとって、あしなが育英会の「全国小中学生遺児のつどい」は自分の素を出せる場所、気を使う必要のない場所でした。被災していても自分の周りには同じように親を亡くしている同級生が多いわけではなかったので、学校は気を使って、使われる場所でした。
でもつどいでは、同じ体験をした遺児どうしで集まって、気兼ねなく時間を過ごすことができます。自分のような人たちと多く出会う中で、自分は一人ではないのだなと強く思いました。両親がどちらもいなかったり、金銭面で自分以上に苦しかったりする人が、部活に打ち込んでいたり、あしなが育英会の制度を使って海外に行ったりと前向きに過ごしているところを見るのはとても励みになり、自分も後ろばかりではなく、前を向くことができました。(2020年12月9日)
P167-171『幸せは生活の質や環境で変わるものじゃない』より一部抜粋
東京の大学への進学と同時に、あしなが大学奨学生となった新田さん。大学時代は学生寮の「あしなが心塾」で暮らし、併設されているあしながレインボーハウスで、親を亡くした子どもたちに寄り添うファシリテーターとして活動を始めました。
レインボーハウスでの活動をきっかけに、子どもだけでなく、保護者も含め幅広い世代の人の心のケアに専門的に携わりたいという気持ちが強くなりました。大学卒業後の現在は、臨床心理士になるために勉強を続けています。
震災を経験した自分にできることを続けたい
新田さんは、「東日本大震災を経験した自分にできることを続けたい」と考え、能登半島地震の被災地への訪問にも積極的に参加しています。
東日本大震災から14年を迎え、新田さんに今の思いを聞きました。
これまで本当に多くの方にお世話になったので、その分、震災に少しでも目が向くように、震災について考える人が増えたらいいなという気持ちも込めて、取材を受けたり、能登半島地震の被災地での活動に参加したりしています。
子どもの頃に自分が受けていた支援について、当時は、「レインボーハウスって場所があるんだ」、「学生寮があるんだ」とただ漠然と受け止めるだけでしたが、大人になるにつれて、そのありがたみを改めて実感しています。ご支援いただいた方々には、今、本当に感謝しています。
14年が経ち、僕が小さい頃ファシリテーターだった方が職員となり、当時参加者だった僕や仲間たちが、今はファシリテーターとして活動しています。親を亡くした子どもたちへの支援が世代を越えてつながっていることを、あしながさんに報告できたらうれしいです。
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新田さんがレインボーハウスとの出会いや経験について語ったインタビューはこちら(2021年公開記事)
>>>「自分にしかできないことを」―東日本大震災から10年を振り返って