「自分の将来のために頑張ろう」LSから勉強の楽しみを学ぶ【LSPインタビュー vol.7】
あしなが育英会は2020年10月より、小中学生対象の学習支援「ラーニングサポートプログラム(LSP)」という取り組みを行っています。LSPでは本会奨学生の大学生が中心となり、遺児家庭の小中学生にオンラインで学習指導を主とするサポートをしています。
◇ラーニングサポートプログラム(LSP)の詳細はこちら
今回は、vol.6でインタビューしたLS仲野さんのLRアリシアさん(中学2年生)にインタビューしました。社会人LSとともに学ぶアリシアさんが、LSPでどのようなことを学び、どんな将来を見据えているのか、お話を聞きました。
LS仲野さんの記事はこちら
※LS:LRの学習サポートをしているあしなが育英会奨学生を中心とした大学生と社会人ボランティア
※LR:LSのサポートを受けている遺児家庭・障がい者家庭の小中学生
本と植物とお菓子作りと
――自己紹介をお願いします。
中学2年生で演劇部に所属しています。趣味は本を読むことと植物を育てること、そしてお菓子を作ることです。普段は学校の図書室が中学生向けにおすすめしている本を読んでいます。お気に入りの本は、辻村深月さんの「かがみの狐城」です。植物に関しては、小学3年生の頃に近所のお花屋さんで花を買うようになってから、自分でも育てることが好きになりました。最近ではお花だけでなく野菜や果物、あとはハエトリソウやモウセンゴケなどの食虫植物も育てています。
アリシアさんが自分で育てているバラ
――とても面白い趣味がたくさん!全部気になってしまいます。では、LSPに参加しようと思ったきっかけはなんですか?
あしなが育英会の高校奨学生だった姉がLSPを見つけて、「やってみたら」とすすめられたことがきっかけでした。LSPは塾とは違って自分でやりたいことが選べるので、特定の教科だけではなくいろんなことを学べると思いました。また、大人と仲良くなる機会はなかなかないので、お話することも楽しみでした。
LSから大学の楽しさを教えてもらった
――LSPのセッションの中で一番楽しかったことはありますか?
一番楽しかったのは、大学の話を聞いたときでした。漫画や本で大学生のキャラクターが描かれていたことがきっかけで、大学についてもっと知りたいと思っていました。でもそもそも調べ方がわからなかったり、今の学生生活の情報が載っていなかったりとずっと疑問に思っていました。
そこで仲野さんに聞いてみると、大学にはサークルがあるということや、中学校とは違ってたくさん人がいてあまり喋らない人もいること、同じ学年でも年齢が違う人もいることなど、実際に通っていた人の視点からの情報を教えてもらいました。
あとは、仲野さんがお仕事でタイに行ったときがあったのですが、その時の写真を直接送ってもらったときはとても嬉しかったです。タイのご飯やお店の写真も撮ってもらって、本当に違う景色だと感じました。
LSの仲野さんが共有したタイ料理の写真
――大学や海外の話など、普段の生活では聞けない貴重な話をたくさん聞いているのですね。海外の話を聞いてみて実際に自分も行ってみたいと思いましたか?
私も将来は海外に行ってみたいなと思いました。今はカナダとイタリアに行ってみたいです。カナダには家族の都合で引っ越した友達がいて、また会いたいなと思うので行ってみたいです。イタリアは去年仲良くしていた友達が世界についてとても詳しくて、イタリアのいいところもたくさん教えてもらったので興味を持ちました。それに私は芸術も好きなので、イタリアの芸術にも興味を持っています。
本会のご支援団体から招待を受けてバレエを観劇した際のホテルで見つけた、アリシアさんお気に入りのアート作品
答えではなく調べ方を教えてもらう
――仲野さんとのセッションを通して、自分の中で新しく学んだことや変わったことがありますか?
数学の問題でわからない時に、答えを教えてくれるというよりはどうやって解くかを教えてくれるので、次に似た問題が出てきた時に自分で解くことができるようになりました。あとは、仲野さんに高校や大学について教えてもらったので、高校や大学に対して憧れができました。
――素敵ですね!高校生や大学生になったらやってみたいことはありますか?
今の中学校は校則がとても厳しいので、高校生や大学生になったら自分の好きなことを思いっきりやりたいです。例えばおしゃれをして友達と遊んだり、好きな英語をもっと勉強したりしたいです。
――LSPで学んだことが学校での勉強に役に立った経験はありますか?
セッションでは主に数学と英語を勉強しているのですが、atama+を使って学校の授業よりも先の方を勉強できるので、特に英語は長文で困ったりすることがあまり無くなりました。数学もLSPで復習したところが学校の試験に出たりすることがあったので、とても役に立ちました。
――LSPで学んだことが生活面で役に立ったことはありますか?
勉強面と少し重なるのですが、英単語でわからないことがあれば調べられるサイトを教えてもらったことがとても役に立っています。また、私は歴史も好きなのですが、仲野さんが歴史に関係する動画を見つけた時に私にも共有してくれて、その動画がとても興味深かったです。
自分の将来のために頑張ろう
――仲野さんと出会ってから、勉強に対する考え方で変わったところはありますか?
ちょっとだけ変わったと思います。小学生の時は学校の先生が言うから勉強するという感じで、なんのためにやっているかわからなかったのですが、仲野さんと一緒に勉強していると、自分の将来に役立てるために頑張ろうと思うようになりました。例えば仲野さんがタイに出張に行っている姿を見ると、勉強して大学に行って英語を学んだからこそ、今お仕事で英語を使っているのかなというように現実的に感じました。
――LSPの良いところはどんなところだと思いますか?
塾とかは5教科しか勉強できないけど、LSPは自分のやりたいことができるところが良いなと思います。また仲野さんに、学校の内容以外の英単語の練習やテストをしてもらう時間をお願いすることができる面もとても良いなと思っています。最近では、mikanという英単語が勉強できるアプリを使って、英検のための勉強のお手伝いをお願いしています。
人と関わり視野を広げたい
――将来の夢やこんなことしてみたいなと思うことはありますか?
私は人と関わることが好きということに気づいたので、将来はいろんな言語をもっと勉強して海外の人と接することができる仕事がしたいと思っています。仲野さんのように出張して海外でお仕事をするのもいいなと思っています。いろんな言語を学ぶために、今は姉の友達からアラビア語を教えてもらっています。世界にアラビア語を話す人がたくさんいるということを聞いて、アラビア語を勉強することでもっとたくさんの人と話したいと思っています。
アリシアさんが学習しているアラビア語のテキスト
――アラビア語かっこいいですね。今後LSPで頑張りたいと思う目標はありますか?
まだ自分の中で将来に対する考えがあまりまとまっていないので、たくさんの人と接して視野を広げて、いろんなことを知りたいなと思っています。そのために最近では、人と話す時に笑顔で話すことを心がけています。
――とても大事ですね!最後にLSPに参加しようか迷っている方にメッセージをお願いします。
LSPはやることが縛られていないので、自分のやりたいことができるプログラムだと思います。迷っている人は是非参加してみてください!
編集後記
経験豊富な仲野さんからの大学や海外の話でどんどん視野が広がるアリシアさん。「勉強を自分の将来のために頑張ろう」と思うようになったというお話は、「勉強の楽しみを伝えたい」という仲野さんの思いが届いているように感じました。
ご協力ありがとうございました!