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レインボーハウスと学校で、子どもたちと関わること|レインボーハウス・インタビューシリーズ「ともに」#3

【2024年10月24日更新】

あしなが育英会の心のケアの拠点である「レインボーハウス」では、遺児、保護者、ファシリテーター(ボランティア)など、様々な人が出会い、繋がりが生まれています。レインボーハウスインタビューシリーズ「ともに」では、レインボーハウスと繋がりがある方々に、レインボーハウスでの人との出会いや経験など、これまでの歩みを中心にうかがい、ご紹介していきます。

ぴよ・めりぃ(社会人)

2017年度から「全国小中学生遺児のつどい」(以下、つどい)にファシリテーターとして参加している、「ぴよ」と「めりぃ」。同じ大学の教育学部で出会ったふたりは、現在、小学校の先生として働いています。つどいで印象に残っていること、ファシリテーターの経験が、どのように仕事に役立っているかなどについてお話を聞きました。

 

ぴよ

 

めりぃ

 

「つどい」は一番大事な予定だった

―ふたりの出会いと、ファシリテーターになったきっかけは?   

ぴよ:大学の1年目で授業が一緒になって。   


めりぃ:私が高尾山に行きたいってぴよを誘って、一緒に行ったんだよね。

その後にレインボーハウスの養成講座(※1)を担任の先生が教えてくれて、「これ、興味あるんだ」って話したら、それも「一緒に行こう」となって(笑)。 

 

ぴよ: ちょうど、先生になった元学生の話や、小学校の先生の体験談を聞いて、頑張らなきゃって思っていた時期で。親を亡くした経験のある子たちと関わったことがなかったから、「あ、やろう」とピンときた。   

   
―最初につどいに参加してから、ほぼ毎回来てくれたよね。  
めりぃ:「また行こう」よりは、「行かなきゃ」って。 行きたい気持ちももちろんあったけど、行くのが当たり前だった。


ぴよ:一番大事な予定って感じだったよね。 

  
―特に楽しかった思い出は?  
ぴよ:(即答)タケノコ掘り! ピザづくり。  

めりぃ:楽しいよね。 流しそうめんもすごく好き。  

ぴよ:あと、みんなでお風呂。 

   

―つどいの回数を重ねて、印象に残っていることは?  
ぴよ:大学で絶対教えてもらえないことを勉強できたから、 自分の成長にも繋がったかなと思う。学校で同じクラスにいたら絶対関わらないタイプの子たちが、親を亡くしたという共通点だけで、喧嘩しながらも2泊3日同じ空間で一緒に過ごしているのが印象的だったな。 

  
めりぃ:一緒のテントに泊まったり、ご飯を食べたりという経験を積むのって大きいんだと思う。学校とは違う環境で、いろんなことを一緒に話して、似ているところがあるって思うんじゃないかな。   


ぴよ:友達じゃないし、家族みたいだけど違うしね。あとは、子どもたちが「ぴよ」というファシリテーターを必要としてくれるのが嬉しい。


めりぃ:回数を重ねるほど子どもたちのことを覚えられるし、子どもたちも私のことを覚えてくれるから、信用されてるって感じる。久しぶりに会ったときに、「この前こんなこと言ってたけど、どうだった?」って続きを聞けるのがすごく嬉しい。  
 
 

「懐かしいね」シロツメクサの花冠をつくりながら、つどいの思い出話に花が咲く

ありのままの自分でいられるレインボーハウス 

―ファシリテーターの経験が、今の仕事に影響をしていると思うことはありますか?   
ぴよ:ファシリテーターは理想の先生像だと思う。ファシリみたいに、子どもたちのやりたいことを持ち上げられる人になりたい。


めりぃ:1年目から「自分も大事、みんなも大事」って書いた紙をクラスに飾ってる。つどいのルール(※2)って、集団で過ごすなかで一番大事なことだと思う。他の誰かだけじゃなくて、自分のことも大切にできるようになってほしいって毎年子どもたちに伝えてる。


ぴよ:最近は評価について考える。レインボーハウスは評価する人がいないから、ありのままの自分たちでいられるんだと思う。学校は正解と不正解がある授業もあるし、先生がどうしても「それいいね」とか言っちゃうから、子ども同士も評価しちゃう空気感につながるのかなって。

以前は、「すごいね」って結構言ってたんだけど、今は一歩考えるようにしてる。 

 

めりぃ: こっちが評価するべきじゃないこともたくさんあるしね。そのままを認めて、寄り添う言葉かけをしようと気をつけるときはある。  

 

ぴよ:レインボーハウスは、学校じゃないと思ってみんな来ているんだなって思う。ここは何を言っても、空気があたたかい。  


   
―今はコロナでつどいを休止しているけど、再開したときはまた参加してくれる?  
ぴよ・めりぃ:やりたい!早くしたい!

  
―先生になった今、ファシリをやったら、これまでとはちょっと違うかもね。  
ぴよ:うんうん。 

 

めりぃ:見え方も感じ方も違うんじゃないかな。  
 
―最後に、子ども達へメッセージをお願いします。
めりぃ:早くみんなに会いたい。会えていないけど、元気かな、大きくなったかなぁってよく思い出すよ。いつかみんなに会った時、今までの話をたくさん聞きたいので、それまで元気で!自分のことを大切に過ごしてね。みんなに会えることを楽しみにしています。またね! 
   
ぴよ:ずーっと会えていないみんな、元気にしているかな?会えていない数年間で、楽しいこと、嬉しいことはあった?悲しいこと、辛いことはあった?おしゃべりの部屋で、そのことを話せる時や、聞ける時がまた来ますように。久しぶりにみんな集まって、つどいをやっても、前と同じような温かい空気で過ごせますように。また会おうね! 
 

 

「ふたりにとってレインボーハウスとは?」という質問には、それぞれの想いを、紙に綴ってくれました。

めりぃにとってのレインボーハウス

 

ぴよにとってのレインボーハウス

   
※1 ファシリテーター養成講座:ファシリテーター希望者には、本会が主催する2日間の「ファシリテーター養成講座」を受講していただきます。講座では、子どものグリーフ(かけがえのない存在をなくしたときに感じる様々な感情や反応)や関わり方のスキルをはじめ、自分自身の体験を振り返るワークなども行います。

 

※2 つどいのルール:プログラムでみんなが安心安全に過ごすためのルールを設けています。「自分も大事、相手も大事」が基本姿勢です。 
 

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