初めてのオンラインによる「AAIつどい」は大成功!
*AAIとは、Ashinaga Africa Initiative=「アフリカ遺児高等教育支援100年構想」
サブサハラ・アフリカ地域の各国から毎年1人ずつ優秀な遺児を選抜し、世界の大学に留学する機会を通して将来様々な分野で活躍し、母国の発展を担うリーダーを育成しようという構想です。
アフリカ遺児学生のための「AAIつどい」
あしなが育英会では、毎年夏に、遺児奨学生たちの心のケアと教育のための「つどい」というプログラムを行っています。遺児学生たちが一堂に会し、日頃胸のうちに抱え込んでいる悩みや不安を吐き出したり、お互いの夢や志を語り合ったりすることで、日常をより前向きに生きるきっかけを見つける場となっています。
未来のアフリカリーダーを育成する100年構想生(以下、AAI生)たちも夏のつどいに参加していますが、2017年からは、AAI生たちのための特別な「AAIつどい」を毎年冬に行っています。
「AAIつどい」では、職員、リーダー学生、そしてその年に招待されたゲストスピーカーが協力し、様々なワークショップやアクティビティ、講義を企画、実施しています。新型コロナウイルスの流行が始まる前は、静岡県御殿場市にある国立中央青少年交流の家で1週間のプログラムとして行われていました。
2021年2月の「AAIつどい」は、新型コロナウイルス蔓延の状況を鑑み、完全にオンラインで実施されることになりました。初めての試みということもあり、アフリカ事業部の職員たちは今まで以上に念入りに準備をしました。
「AAIつどい」のプログラムの多くは、AAI生たちがリーダーシップを育み、自分自身とアフリカ大陸の未来について考えるきっかけを作れるよう設計されています。今年は、コロナ禍での環境変化を考慮して、ストレスに対処し、自己認識を深め、悩みや葛藤を上手くコントロールするためのセルフケアスキルを学ぶプログラムも導入しました。
また、AAI生の場合は奨学生要件の一つに、「あしながプロポーザル」という「自国のコミュニティ開発に貢献するためのプロジェクト計画を4年間かけて完成させる」という活動があります。「AAIつどい」は、「あしながプロポーザル」の途中経過を発表して参加者からたくさんのアドバイスを受けるための場でもあり、また後輩たちが先輩の姿を見ることでAAI生としての志の持ち方と大学生活の過ごし方を学ぶ機会にもなっています。
初めてのオンライン開催
オンライン開催の利点は、物理的に移動しなくても世界中から多くの人が参加できることです。おかげで2021年の「AAIつどい」には世界中からたくさんのスピーカーの方々に参加していただき、逆境をプラスに転じることができたこの体験から、職員も学生たちも大いに学ぶことができました。ご協力くださいましたみなさまに感謝いたします。
参加者の一例
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- ドミニク・バゲンダ博士(北海道)はこだて未来大学教授
- エステル・ブグナ・フォメジュさん(マリ)
ティッシ・コンサルティング創始者 - 渡辺まりあさん(東京)
お話し処・ゆるり庵代表 - サミュエル・ローレンスさん(アメリカ)
トップトレーサー社主任コンサルタント - マイケル・カソジさん(茨城)・・・AAI卒業生
- ウィリアム・トレリマさん(南アフリカ)・・・AAI卒業生
- ベリル・ナナ・アマ・アクフォ・クワポンさん(ガーナ)・・・元インターン
オンラインイベント用のプラットフォームはEvntc株式会社様がトライアル利用させてくださいました。ありがとうございました。
さらに今回の「AAIつどい」には、企画準備段階から2名の学生さんがオンライン・ボランティアとして参加してくれました。そのうちの一人、ルミさんが今回の体験について感想を聞かせてくれました。
「何カ月もかけて計画したAAIつどいが7日間で展開されるのを見るのは、別の意味での幸福感があります。企画の一部として参加できたことは素晴らしく貴重な経験であり、多くのスキルと対人力を学ぶことができました。バーチャルな空間での会議には限界がありますが、あしながの素晴らしいスタッフや優秀な奨学生のみなさんと一緒に仕事をするのは、楽しくて仕方がなかったです!」(ルミさん、学生支援チームで企画・運営をサポート)
また、今回のつどいを終え、AAI生のウォルターさんは次のように話してくれました。
「2021年のAAIつどいで、仲間とつながり、交流し、共有する機会を持てたことに、とても感謝しています。AISAチームの素晴らしいイントロダクションで幕を開け、まだ会ったことがなかったAAI生たちとも会うことができました。渡辺先生のセルフケア・セッションでは、とても簡単でシンプルなストレス対処法を学びました。また、ゲストスピーカーのドミニク・K・バゲンダ教授による『実際のシナリオ、実践的なコンセプト、明確なストーリー』は大変素晴らしかったです。『目的地を明確にし、手段と目的地を混同してはいけない』という教授の言葉が印象的でした。日々忙しく過ごしてしまう中で、リフレッシュし、リラックスし、自分の旅を再開するための最高の瞬間だったと感じました」(ウォルターさん、「あしなが留学生の会(Ashinaga International Students Association:AISA )」2020年度会長)
初めての試みにもかかわらず、世界中のAAI生たちのためにオンラインでの「AAIつどい」を実現させたい!と努力を尽くした職員、リーダー学生、ゲストスピーカー、そしてボランティアのみなさんのお陰で、1週間にもわたるイベントは成功裏に終わりました。
世界中のAAI生たちが、今回の経験から得た学びを糧に、逆境に負けず勉学に励み、そして大きな志達成のために邁進してくれることを期待しています!