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奨学金は心配しないで

コラム 2020.08.04

「もう家族全員で路上生活をするしかありません」
「私が死んだら、子どもはどうなるのでしょう」
胸をえぐられるような、お母さんたちの悲鳴が聞こえてきました。

新型コロナ感染拡大の影響を調べるため、本会は高3奨学生のお母さん553人に「今困っていること」「今後不安なこと」「本会への要望」「政府への要望」を尋ねる緊急アンケートを実施しました。すると、わずか10日間で281人から回答(スマホ利用)をいただきました(回答率50.8%)。これは、私が半世紀にわたる遺児支援「あしなが運動」で、数十回行ってきた遺児関係調査の中でも類を見ない速さです。

遺児家庭のお母さんたちの多くは、中小零細企業や飲食店などでパート・アルバイト、派遣、契約社員など不安定な雇用条件で働いています。今回の事態で、「契約を切られた」「仕事がなくなった」などの回答が次々と届きました。そして、お母さんたちの本会や政府への要望は「ともかく、母子が生き延びるためのお金が必要です。一刻も早く助けてください」ということに尽きます。

高校から大学院までの全奨学生6,500人への「遺児の生活と教育の緊急支援金」15万円は、こうしたお母さんたちの悲鳴を受けて決定しました。奨学金送金口座の登録が済んでいる2年生以上約5,000人には4月中に、1年生約1,500人には奨学金口座の登録作業が完了次第、送金します。この緊急支援金のために、奨学金積立金の一部を取り崩しますが、きっと、あしながさんのお気持ちに沿うものであると信じます。

「15万円」は奨学生の保護者の平均手取り月収14万6380円(本会の2018年全奨学生家庭調査結果)を参考にしました。お母さん、どうか、これで生き延びてください。

そして、奨学生諸君。コロナに感染しないように2時間ごとに手洗いしなさい。奨学金は心配しなくていいから。お母さんと君らが元気でいることが、あしながの願いです。

(2020.04.22記)

NEWあしながファミリー164号から転載


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