つどいは「仲間づくりと人間づくり」の場所|玉井義臣よりVOL. 12
「特に伝えたかったことは、ここにいるのが仲間なんだ、この仲間こそが君たちにとって一番大事なんだということ」
4年ぶりに「高校奨学生のつどい」が復活しました。つどいとは、同じような境遇の仲間たちと将来を考える3泊4日のサマーキャンプで、全国8か所で実施します。今年は、8月7日(月)に「中央のつどい」(静岡県御殿場市)と「阿蘇のつどい」(熊本県阿蘇市)を皮切りにスタートしました。
また、8月末には大学・専門各種学校奨学生を対象とした5泊6日の「富士山のつどい」(静岡県御殿場市)も実施します。
つどいは半世紀以上も前に、奨学生同士が仲間を見つけ連帯することを目的に、「日帰りでの開催」という小さな規模からスタートしました。
本会の機関紙『NEWあしながファミリー』183号の編集長コラムより、本会会長 玉井義臣のつどいにかける思いを紹介します。
仲間こそが君たちにとって一番大事なんだ
人生は「愛と仕事」だ
「奨学生のつどい」を始めたのは今から53年前の1970年の夏。奨学金制度をスタートさせてまだ一年も経っておらず、資金的にはとても厳しかった。
しかし私は、つどいこそが教育であると思った。
つまり、子らを集めて育英会から一方的に何かを言うだけじゃなしに、奨学生同士みんなで話し合ったり仲間づくりをしたり、実にいろんな場面を作っていける。奨学金が「進学の環境づくり」とすれば、つどいは「仲間づくりと人間づくり」の場。特に伝えたかったことは、ここにいるのが仲間なんだ、この仲間こそが君たちにとって一番大事なんだということ。それは、理屈やなしにみんなの体験から理解してほしいと願ったわけね。
初めは一つの県の高校生だけを土曜日の午後に公民館に集めて日帰りでやったように思います。確かに経費は大変やったけど、毎年欠かさず少しずつ積み重ねてきて今の規模のつどいができ上がった。
やっぱりウチ(あしなが育英会)の最もウチらしい姿というのは、つどいで職員と奨学生らが一体感を持つということにあるね。つどいこそが今でも自慢できるカリキュラムだと思います。
つどいで私が子らに特に伝え続けてきたことは「人生は愛と仕事である」ということ。これは永遠です。みんな人間として生きて成長するのに、愛と仕事抜きにありえない。
もちろん他にも「自助」「考動人」「セルフイメージ」「ワークハード」などのキーワードで様々言ってきたけれど、一度にたくさんのことを入れようとすると無理がある。一つぐらいのことをはっきりと理解してもらって、そこからぼちぼち機会があるごとに、そういう話を注ぎ込んでいく。と、いうことですね。
(2023・7・13記)