新しい「発想」を常に継ぎ足せ|玉井義臣よりVOL. 13
あしなが育英会はじめ日伯交流協会など3団体の卒業生の呼びかけで、昨年11月23日、本会会長 玉井義臣の「米寿をお祝いする会」が開かれ、卒業生とその家族らがお祝いにかけつけました。米寿を節目に、これからもあしながさんと学生と一丸となって邁進していくと決意を新たにし、「ありがとう」と感謝の言葉を述べました。
本会の機関紙『NEWあしながファミリー』185号より、編集長コラムを抜粋してご紹介します。
(「米寿をお祝いする会」は参加者の会費により賄われました)
学生とあしながさんと共に「新しい発想」で必死に支えていきたい
あしなが奨学生のOB・OGが、11月23日、私の米寿を祝ってくれた。
特別に設えた雛壇に立って会場を見渡すと、50年前を思い出させる顔もあった。私は次のように挨拶した。
「うれしいね。ホンマにうれしい。この50年、母を亡くして60年、よう、ずうっと頑張ってきたもんだ。私一人でやってきたんじゃなしに、みんな一緒にやってきたから、あしなが運動はおもしろい。みんな嫌々ながらでも(笑)よくついてきてくれたね。もう、いろいろ難しいこと言う必要ナシ。私はうれしい、ということだけ伝えます。おわり」
白状すると、本当はあれもこれも言おうと思いを巡らしていたのだが、不覚にも感動のあまり言葉が出なかった。私の人生史上初のハプニングである。
では、後に続けたかった言葉は何だったのか? それを思い出させてくれたのが、先日来日したあしながUSA代表エリサさんの「新しいアイディアでアメリカの募金活動もがんばります!」宣言である。
新年を迎えるにあたって、職員と学生一人ひとりに改めて伝えたい。「今の方法で本当に遺児は救われるのか、根本的なところで何が必要なのか考えてほしい。新しい発想を常に継ぎ足していくということが大事や」と。
遺児家庭は今、物価高と格差拡大でどん底に叩き落されている。この逆境を私たちは、学生とあしながさんと共に「新しい発想」で必死に支えていきたい。
遺児諸君、新年も、石に噛りついても進学しよう。心の友をつくろう。心豊かに生きていこう。
(2023・12・16記)