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「大学に行ってもらいます!!」大学奨学金開始からもうすぐ50年|玉井義臣より VOL. 1

コラム 2021.04.12

 

「はじまり」から50年を迎えるあしなが運動。

創設から今日まで走り続ける本会会長・玉井義臣の遺児支援にかける情熱や、社会と子どもたちへのメッセージは今も昔も変わりません。

 

新型コロナウイルス感染症の影響により遺児家庭では経済的にも精神的にも今まで以上の支援が必要とされる今こそ、改めて会長のメッセージを振り返り活動の原点に立ち返る必要があるのでは・・・と月に1~2度、過去の機関紙で掲載された玉井会長のコラム(『れんたい』、『共生』)の中から一遍を選んでご紹介することにいたしました。

 

初回は「大学奨学金制度」がスタートした1973年4月の会長コラム『れんたい』をご紹介します。

 

大学に行ってもらいます!!

「大学に行ってもらいます」と、いうほど自慢たらしくいえないのですが、とにかく大学奨学制度を本年度からスタートさせます。活用してください。

みんな頑張ってます

「高校生の奨学金を充実するのが先決」という意見もありましたが、“勉強すれば大学まで行ける”という希望に満ちた制度を確立することが大切だというので踏みきったわけです。それに育英会ができた翌年高校入学した奨学生がこの三月には卒業したこともあって。

でも大学のほうは1学年50名の定員ですから、よほど勉強しないとダメですよ。ちょっとユックリズムと反するように聞こえるかもしれませんが、社会で活躍するには勉強はムダになりません。

今年の卒業生のなかで、福島のT君が現役で東大を見事パスしました。ほんとにおめでとう、と一緒にいってあげたいですね。東大だけが大学ではないけれど、現役で入るなんて嬉しいですね。

埼玉のK君は、電々公社*の入社式で新入社員420人を代表して答辞を読みました。頑張ってますね。おめでとう!!

高知のC君、ご存知“しばてん会”(奨学生主体のグループ)のリーダー、高専四年生になったところだけれど、高知の仲間七十名を引きつれて、フェリーボート“さんふらわあ号”で東京へ。そして五月の歩く会も陣頭指揮。やりますね。

大阪のT君は関大一年生。両親と兄弟を一度の事散で失ったけれど、ファイトの塊。大阪の励ます会の代表になり、歩く会、春の大学募金で、大阪はじめ近畿圏で采配をふるう。頼もしいかぎりであります。

みんな若樹のようにすくすく伸びています。与えられた条件のなかで。

君のテーマをもつこと

新年度というと、やはり気持ちも新たになるものです。君はどうですか。でも僕など生まれつき怠けもののせいか五、六月のさわやかさについ気になっていると、すぐに夏になり、暑いときぐらいまあいいやと思っていると秋です。前半サボっているとその惰性で読書の秋も、ブタ肥ゆる秋(馬だっかたかな)になり、ブルブルと「こたつ守り」をする冬になってしまう。そして人にいうのです。「一年って早いね」。なにもせずに早いもないもんだよネ。

怠け者の提案で信用してもらえるかどうかわからないが、一つだけいいたいのです。何でもいい何か一つの問題意識をもつことです。「人類の幸福」と」いう大テーマでもいいし、「君自身の幸福論」でも「親子とは何だ」とか「SLがなぜ滅亡するのか」でもいい。一つの問題を君自身の眼、頭、体で追求していく姿勢が大切なのだ。そうすれば、勉強もただのガリ勉ではなくなる。人生が充実してくる、と僕は思うのですが。君自身のテーマをもつこと、これを僕は強くすすめたい。

ではこの一年また気でやりましょう。お母さんによろしく

(1973・4・19記)

 

*日本電信電話公社、現在のNTTの前身

 

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