阪神・淡路大震災を学ぶ 虹の心塾新入生 防災学習施設を見学
あしなが育英会の大学奨学生寮「虹の心塾」(神戸市東灘区)では毎年、新入塾生が阪神・淡路大震災について学ぶ機会を設けています。
今年も5月末、震災の教訓を伝える施設「人と防災未来センター」(同市中央区)を見学し、塾周辺の被災・復興状況についても学びました。
塾生8人が参加し、まず、震災当時の東灘区の様子を伝える映像を見たり、塾周辺を歩いたりして、身近な地域の被災状況について理解を深めました。
その後、同センターへ。発災時の再現映像、展示資料、語り部の方の講話を通し、震災の全体像を知るとともに、復興の歩みを学びました。
防災・減災に関する展示エリアでは、地震や水害などさまざまな災害への対応について学習しました。同センターからの帰路では、塾近くにある震災モニュメントも見学しました。
語り部さんのお話を聞く
資料や映像から震災当時の様子や教訓を学ぶ
虹の心塾は、震災を機に建設された遺児の支援拠点「神戸レインボーハウス」に併設されています。これからも、塾生が塾の原点を知る重要な機会として、震災に関する学びを継続していきたいと思います。
展示資料を見る心塾生
塾生の感想(抜粋)
・地震直後の映像で、想像もつかないほど悲惨な状況だったのだと実感しました。この先、大地震は必ず起こります。阪神・淡路大震災だけでなく、ほかの地震の現実も知り、できるだけ被害を減らせるように準備したいと思います。
・人間は1人では生きていけないことを改めて実感しました。この出来事を知らない世代が増えていく中で、記憶を風化させてはいけないと思いました。
・これまでの避難訓練で自分なりに実際の状況を想像してやらなければならないとは思っていたものの、どこか実感が湧かず、身が入らない状況でした。しかし、今回の学習を通して、しっかりと当事者意識を持つことができました。
・「本当の地獄を見ていた」という言葉が心に強く響きました。私にとって身近な震災といえば東日本大震災で、阪神・淡路大震災について触れたことはあまりありませんでした。今回の見学で、初めてこの震災を現実として受け止められた気がします。