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卒業を迎えた子「レインボーハウスは第二の家」|全国小中学生遺児のつどい

2024年3月23日と24日の両日、あしながレインボーハウス(東京都日野市)で「全国小中学生遺児のつどい」を開催しました。

 

レインボーハウスでの「つどい」は、親を亡くした子どもたちとその保護者のための宿泊プログラムです。コロナ禍の影響で、2020年3月から約3年間休止していましたが、2023年3月に再開し、23年度は4回開催しました。

 

3月のつどいには、レインボーハウスのプログラムを「卒業」する中学3年生の参加者を中心に、全国から19人の子どもたちと9人の保護者が集まりました。休止期間中に中学卒業を迎え、2023年度に高校生となった子どもたちも、今回のつどいで「卒業」していきました。

 

子どもたちは、仲間たちとレインボーハウスで過ごす時間を噛み締めながら、最後のプログラムを楽しみました。

 

新生活に向けて、自分の歩みに丁寧に触れる

つどいの間、親と子は別々に過ごします。子どもたちはレインボーハウスの職員やファシリテーター(トレーニングを受けたボランティアスタッフ)と共にたくさん遊びます。

 

手作業や手芸、絵画などを通して気持ちを表現するアクティビティのほかにも、自分自身や亡くなった家族のことを語り合う「おはなしのじかん」もあります。ここでは、自分の気持ちを正直に話しても亡くなった家族のことを話しても大丈夫、という安心安全な環境の中で、子どもと保護者が、自分らしく、リラックスして過ごせるよう、スタッフは心を尽くします。

 

今回の「おはなしのじかん」では、自分の「これまで・いま・これから」を、雑誌の切り抜きやシールなどを使ったコラージュで表現するワークに挑戦。

 

子どもたちにとって春は、卒業や進学、進級など変化が多い時期なので、これまでの自分の歩みを振り返りつつ、今後の生活について考える時間としました。作品からは、将来に対する不安と、同時に希望も抱いている、そんな複雑な心情などが伝わってきました。

 

雑誌の切り抜きやマスキングテープ、シールなど、様々な素材を使ったコラージュ作り

 

 

初日の夜のキャンドルタイムでは、卒業生や保護者、長年活動しているボランティアが経験や想いを語った

 

 

3月のつどいでは、卒業生がレインボーハウスの仲間に伝えたいことや、レインボーハウスに残したい言葉をカードに書いて、館内の壁面に飾ることが恒例となっています。

 

今回も子どもたちがカードにメッセージを書いてくれました。

 

「レインボーハウス最高!」「レインボーハウスは第二の家」といった嬉しいメッセージもあれば、これからレインボーハウスに来る後輩に向けて「レインボーハウス楽しんで!」と綴る子もいました。

 

 

一緒に卒業する仲間たちと、レインボーハウスに残したい言葉を考える

卒業セレモニーで溢れた想い

2日目の「閉会式」では、卒業生の門出を祝うセレモニーを行いました。子どもたちの家族写真や過去につどいに参加した時の写真、ボランティアからの応援メッセージなどをつないだフォトムービーを作成して、全員で鑑賞しました。

卒業生からのスピーチでは、幼い頃からレインボーハウスに来ていた中学生が「卒業しても、ファシリテーターとして戻ってきたい」と話す姿が印象的でした。

 

最後に、職員から卒業生へメッセージを添えて、記念品の色紙とセルフケアキットを贈呈しました。セルフケアキットは、自分を大事にするための小さなアイテムを詰めた袋。アイテムにはそれぞれ意味があり、これからの新生活で疲れたときや辛いときに、少し立ち止まって自分を労われるように、という願いが込められています。

 

参加者が帰り際に見せた笑顔は、初めての参加した人にとっても、久しぶりに参加した人にとっても、レインボーハウスがみなさんの居場所になっていることを表していたように思います。

プログラムを卒業しても、レインボーハウスとのつながりが終わってしまうわけではありません。

 

これからも、レインボーハウスは、誰もがいつでも帰ってこられる場所であり続けます。

 

名残惜しくも、「またね!」と伝え合う

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あしなが育英会の心のケア活動の拠点・レインボーハウスでは、子どもたちと保護者の方のグリーフに寄り添うため、安全・安心を感じてもらえる環境をつくり、定期的にさまざまなグリーフサポートプログラムを行っています。プログラムに参加してみたい方やレインボーハウスの活動についてお知りになりたい方は、以下のフォームよりお気軽にご連絡ください。

 


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投稿者

佐藤 シャミーナ

幼少期に父を亡くした経験から、「自分が子どもの頃には受けられなかったグリーフサポートの場を子どもたちに提供し、少しでも生きやすい社会にしたい」という想いで入局。現在は主に子どものグリーフサポートプログラムの運営や進行を担当している。セルフケアは読書、文章を書くこと、映画鑑賞など。

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