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「白いカーネーションをお母さんの写真の前に飾ろうと思います」―お母さんを亡くした子どもの「母の日」への想い

コラム 2021.05.21

なぜ、カーネーションなのか

先日5月9日(日)は母の日でした。コロナ禍で2回目の母の日となりましたが、皆さんはどのように過ごされましたか?多くの方にとっては、改めてお母さんに感謝の気持ちを伝える日だったかと思います。

 

実は、母の日が「追悼の行事」として始まったことはご存知でしょうか?

母の日の起源や日付けは世界各地で様々ですが、日本の母の日の原型と言われているのは、アメリカで南北戦争負傷兵の衛生改善活動を行ったアン・ジャービスの娘、アンナ・ジャービスのお話です。

 

1907年5月12日、アンナは亡き母を偲んで、母が日曜学校の教師をしていた教会で記念の礼拝を開きました。その翌年の1908年5月10日、同じ教会で最初の「母の日」が祝われました。アンナがこのときの参加者に母が好きだった白いカーネーションを配ったことにより、白いカーネーションが母の日のシンボルとなりました。

 

この風習はやがてアメリカ全土に広がり、1914年にウィルソン大統領が5月の第2日曜日を「母の日」として国民の祝日に定めました。今では、赤いカーネーションをお母さんに贈ることが主流ですが、スタートは白いカーネーションだったのです。

嬉しいだけじゃない「母の日」

「母の日」や「父の日」は世の中では大々的に祝われますが、親を亡くした子どもたちにとってはグリーフ(喪失体験によって起こる心と身体の反応)を感じやすい日です。

 

本会は3年前、あしながレインボーハウス神戸レインボーハウス合同で作文集『父の日にお父さんはいない』を発刊しました。この作文集には、両レインボーハウスの心のケアプログラムのなかで子どもたちが「母の日」や「父の日」について書いた作文を収録しています。

 

「母の日」「父の日」を迎えるにあたり、亡くした親や家族に対する気持ちが強くなったり、揺れ動いたりする様子が感じ取れます。

 

 

 

作文集から抜粋

 

私は4年生の時に、お母さんを亡くしました。だから、母の日が来るとこわいです。母の日にちなんで、学校の行事とかで何かをしないか?あったとすればどうすればいいか?不安でこわいです。だから母の日は、いつも学校を休んでいます。

小6・女子

 

去年、小学6年生になって、母の写真の前に飾るカーネーションを自分で買いに行きました。レインボーハウスで母の日の成り立ちのことを聞いて、私も母の日に参加できるのならと思い、白いカーネーションを花屋さんで探しました。

でも、家の近くの花屋には、赤や色のついたカーネーションしかなくて、駅まで行って6軒目でやっとみつけました。それでもほんの数本しかなくて、1本だけ買いました。そして、白いカーネーションを買うときも、『白のカーネーションは亡くなった人に贈る花ですが・・・』と店員さんに言われました。私は『大丈夫です』と答えましたが、やっぱり少し寂しい気持ちになりました。

(中略)

今年もまた母の日には、白いカーネーションをお母さんの写真の前に飾ろうと思います。でも今年は、お母さんが好きだったオレンジ色のカーネーションも飾りたいです。天国のお母さんが喜んでくれたら嬉しいです。

中1・女子

 

レインボーハウスのプログラムで作文を書く子どもたち

 

子どもたちは「母の日」「父の日」だけではなく、親の命日や誕生日、人生の節目などで、亡くした親に対して様々な気持ちを抱きます。

レインボーハウスは、子どもたちのありのままを受け止め、寄り添い続けています。

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