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「3月10日までは、いい日だったね」|3.11 東日本大震災遺児の作文紹介

戦後最大の自然災害と言われた東日本大震災から、2024年3月11日で13年が経ちます。

 

あしなが育英会では、東日本大震災遺児支援の10年間の活動報告と、支えてくださった方々への感謝を込めて、2021年2月に『お空から、ちゃんと見ててね。作文集・東日本大震災遺児たちの10年』を出版しました。震災当時のことや、なくなった人への想いなど、子どもたちが率直な言葉を綴った作文が収められています。本書から3点をご紹介します。

東日本大震災遺児の作文

3月10日までは、いい日だったね。

 

おかあさんがいたら、いろんなことができたね。

ケーキをつくったりできたよね。

保育園からかえると、おかあさんがつくって食べさせてくれたね。

3月10日までは、いい日だったね。

3月11日の午後2時46分に、津波がおしよせてきました。

わたしと、おとうさんと、おじいちゃんと、おじいちゃんのお姉さんのさとみさんも大丈夫だったけど、おかあさんは、津波にながされて、おかあさんの仕事場のまえで死んでいました。

わたしはそのことを忘れないようにしたいとおもいます。

 

Y.A(2012年11月)

 

生きてると信じて

 

私は、小学2年生の時に、お父さんを東日本大震災でなくしました。

地震の時は学校にいて、近くの高台にお姉ちゃんとにげました。その後、いとこのおじさんがむかえに来て、無事に家に帰ることがきました。家は山のほうにあったので無害でした。でもお父さんだけがいなかったのでびっくりしました。

その後、5日ぐらいたってもお父さんが帰ってこなかったのでお母さんに聞いてみたら、「たぶん流されたかもしれない…」。聞いた私はショックでした。どうして私のお父さんが流されなきゃいけないのと思いました。

その後からはずっとお母さんとおじいちゃんが自転車で遺体安置所にいくようになりました。その時から、もうお父さんに会うことができないのかぁと思うことが多くなりました。でも、まだ生きていると信じていました。

3年生になったころやっと学校がはじまりました。学校はとなり町だったのでスクールバスで通っていました。学校では4か月くらい会っていない友達とも会うことができて良かったです。でも転校した人もたくさんいました。それに、お父さんもまだ行方不明のままでした。3年生の10月ごろに仮設の小学校になりました。

4年生になると、お父さんは、まだ見つかってなかったけどお葬式をやることになりました。私はすごくショックでした。それにお墓を作ることになりました。

でも、見つかることを信じようと思います。

 

M.M(2013年1月)

 

お空から、ちゃんと見ててね。

 

私は、あしながレインボーハウスの全国小中学生遺児のつどい(※)に出ました。

心のケアプログラムで”まいちゃん”というファシリテーターの人と、家族の人のことを相談しました。わたしは、3月11日の、大震災で、ひいおばあさんをなくし、お母さん、お母さんの妹、おじいさん、おばあさんが安否不明です。

みんながいなくなってから、なんでお母さんたち、参観日やいろいろな行事に来ないのと言われることが多いです。それで、そのことを友達に言ったほうがいいのか。言わないほうがいいのかを迷ってしまいます。

でも、お母さんたちは見ています。なので私も、くじけないで頑張ろうと思います。

お母さん。お母さんの妹さん、おじいちゃん、おばあちゃん、ひいおばあさん。お空から、ちゃんと見ててね。ぜったいだよ。やくそく。バイバイ。

 

川崎みく(2011年12月)

 

※全国の親を亡くした子どもを対象とした、あしながレインボーハウス(東京都)で開催している2泊3日のプログラム。遊びやお話を通して、同じような体験をした子どもたち同士が交流し、気持ちを分かち合う。

 

あしなが育英会の東日本大震災支援

震災発生後、あしなが育英会では、職員と大学奨学生がチームを組み、給付金などの支援情報を届けるための「お知らせ隊」を結成。被災地で確認された2,083人の震災遺児に特別一時金を支給しました。また経済的支援だけでなく、被災時の気持ちなどを表現するグリーフサポート、海外からの震災遺児招待プログラムのコーディネートなど、幅広い支援活動を行ってきました。

 

2014年には宮城県の仙台市石巻市、岩手県の陸前高田市にレインボーハウスを建設し、東日本大震災遺児と遺族のためのグリーフサポートの拠点としました。今日までに、のべ5,800名以上の子どもたちがプログラムに参加しています。

 

>>>令和6年能登半島地震に関する緊急教育支援について

 

遺児支援をご検討中の方向けに、さまざまなご支援方法をまとめた記事をご用意しています。

>>>ちょっとだけ、誰かのために。遺児支援のためのGiving

 

親を亡くした子どもとご家族を支える場があります

大切な人との死別を経験すると、「グリーフ(愛惜・悲嘆)」と呼ばれる感情・反応が生じることがあります。

あしなが育英会の心のケア活動の拠点・レインボーハウスでは、子どもたちと保護者の方のグリーフに寄り添うため、安全・安心を感じてもらえる環境をつくり、定期的にさまざまなプログラムを行っています。

プログラムに参加してみたい方やレインボーハウスの活動についてお知りになりたい方は、以下のフォームよりお気軽にご連絡ください。

 


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遺族の手記をまとめた作文集を無料進呈中

あしなが育英会では、一人でも多くの方に、遺児や遺族の気持ちに触れ遺児支援への理解を深めるきっかけとしていただけるよう、遺族の手記をまとめた作文集を作成しました。ご希望の方に、以下の2種類を冊子代・送料含め、無料で進呈しています。

■ お父さんを亡くした子どもたちの作文集 『父の日にお父さんはいない』 

「父の日にお父さんはいない」の配布は終了しました

■ 遺児のお母さんの作文集 『星になったあなたへ』

 

すでに多くの方がお手に取ってくださり、大きな反響をいただいています。イベント等での配布や、授業・セミナー等でのご使用も大歓迎です。

まだ読まれたことがない方は、ぜひお気軽にお申込みください。

 


作文集の申込はこちら

 

◇◇◇

書籍『お空から、ちゃんと見ててね。作文集・東日本大震災遺児たちの10年』

2021年2月28日出版

発行:朝日新聞出版

お求めは全国の書店、またはインターネット書店へどうぞ

電子書籍の購入も可能です

朝日新聞出版

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