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誰もいないところで一人で泣きます|遺児の作文紹介

2024年11月23日(土)は「グリーフを考える日」です。


今回はグリーフを抱えながらも、それぞれのペースで歩む子どもたちの作文をご紹介します。そして、この作文を読んでくださった方々にとっても、グリーフについて考える機会となりましたら幸いです。
*グリーフ(grief):死別による心身のさまざまな反応

遺児の作文紹介

※()内の年齢は執筆当時

 

おかあさんへ

しょうがっこうにいって、うんどうかいをがんばりたい。
べんきょうもがんばる。
ともだちといっしょにあそんで、ともだちをたくさんつくりたい。
おりょうり、がんばりたい。
こんど、おばあちゃんのおてつだいをする。
ぼくはまいにち、げんきにくらしています。
おとうさんによくおこられますが、まいにちたのしいです。
ぼくは、まだ、じをかくのがむずかしいです。
まいにち、れんしゅうしています。
おかあさん、いっしょにあそびたかったです。


(年長・男子)

『亡きお父さんお母さんへの手紙』

全国小中学生遺児のつどい参加者作文集より

 


まだどこかにいる感じが

 

お父さんは白血病で亡くなりました。お父さんが救急車で運ばれていってるとき、私は状況が分からずにただ運ばれているお父さんを見ていました。お母さんから救急車で運ばれた事情を聞くと悲しくなりました。

そしてお父さんはだんだんとご飯も食べられず、苦しんでいる姿を見ると、涙が目にたまってきました。

でも、お父さんに悲しんでいる姿を見せたらだめだと思い、必死に涙をこらえてお父さんに笑顔で話しかけていました。

 

病院にお見舞いに行きました。そこには、悲しんでいるお母さんとベッドに寝ているお父さんがいました。はじめは寝ているかと思ったけど、お母さんがとても悲しい表情をしているのを見て、この時は涙をこらえられず泣いてしまいました。

お父さんが残してくれた、たくさんの思い出を大事にして、強く自分に自信を持ってこれからもいきたいと思います。

(中1・女子)

『天国のお父さんお母さんへ』

全国小中学生遺児のつどい参加者の作文集・第2集より

 

一人で泣きます

 

お父さんが亡くなって1年が過ぎました。お父さんがいなくなって困ることは、お母さんが仕事が忙しくなって帰りがおそいことと、中学校でお父さんの話になると、お父さんがいないということを言えないことです。同じ小学校だった人は知っているとは思うけど、親友の3人以外には言えません。「お父さんはこういう人」ということは、ふつうにみんなと話すけれど、「亡くなって、いない」という事は、3人以外は言えません。そういうときすごく思い出して悲しくなるけれど、人前や家族の前でも泣かないです。

 

誰もいないところで一人で泣きます。だけど亡くなって1年の命日のときは、学校に行って歩いているとき、親友の前では泣いてしまいました。親友3人は本当に大切です。レインボーハウスでは普段言えないことも言えるので、こういう場所があって本当に嬉しいです。

(中1・女子)
『わたしだけじゃないんだ~親を亡くした遺児たちの作文集~』より

「グリーフを考える日」とは?

「グリーフを考える日」とは、2023年に一般社団法人記念日協会に登録された新しい記念日で、11月23日に制定されています。

グリーフとは?

グリーフとは、大切な人を亡くしたり、喪失を経験したときに感じる深い悲しみや心の痛み、身体に生じるさまざまな反応のことを指します。

なぜ「グリーフを考える日」が生まれたの?

死別に伴うグリーフは、誰もが経験する可能性のある普遍的な感情であり、その過程で多くの人が苦しみを抱えています。グリーフに向き合うためには、心身ともに大きなエネルギーを消費することから「グリーフワーク(喪の仕事)」とも言われています。


しかし、グリーフについて語ることや、それを乗り越えるための支援は、まだまだ十分ではありません。

 

そこで、

  • グリーフについて社会全体で理解を深める
  • グリーフを抱える人たちが孤独を感じずに済むように支援体制を整える
  • 亡くなった人を偲び、感謝の気持ちを伝える

といった目的で「グリーフを考える日」が制定されました。

グリーフワークの途上にある方々、そして、グリーフを抱えた人を支援する方々の、双方に心を寄せる日にしてほしいという願いが込められています。

(外部リンクが開きます)

レインボーハウスの活動に参加したい方へ

以下の5か所にある、あしなが育英会の心のケアの拠点「レインボーハウス」では、親を亡くした子どもたちが、遊びやおしゃべりを通して「自分の気持ちに丁寧にふれる」ことを大事にしています。子どもたちと保護者のグリーフに寄り添うため、安全・安心を感じてもらえる環境を大切に、季節や節目に合わせたプログラムを提供しています。

プログラムに参加してみたい方やレインボーハウスの活動についてお知りになりたい方は、以下のフォームよりお気軽にご連絡ください。

 

 


レインボーハウスへのお問合せはこちら

 

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