レインボーハウスもハロウィンの装いに ~10月の活動報告~
レインボーハウス 10月の活動報告
あしなが育英会の心のケアの拠点であるレインボーハウスでは、親との死別を経験した子どもと保護者のためのプログラムを定期的に開催しています。
10月はハロウィンにまつわるプログラムや宿泊プログラムを開催しました。子どもたちは遊びやお話を通して、亡くなった人について口にしたり、自分の気持ちを表現していました。また、仙台レインボーハウスではファシリテーター養成講座を開催。子どもたちと関わりたいという想いを抱く一般の方々がつどい、子どもと関わるために必要な知識やスキルを学びました。
9月のレインボーハウス活動レポートはこちら
プログラムの参加を希望される方は、本記事末尾のフォームからお気軽にお問い合わせ下さい。
あしながレインボーハウス(東京都)
あしながレインボーハウス(東京都日野市)では、日に日に秋めいてくる百草の空の下、日帰りプログラムを2回開催し、計15世帯22名の子どもたちが参加しました。
初めて参加する子は緊張した様子だったものの、徐々に打ち解け、楽しそうに遊んだり自分の気持ちや経験を言葉にしたりしてくれました。
ハロウィンの装飾でにぎやかなレインボーハウス
ハロウィンの装いになったレインボーハウス。仮装をして参加した子どももいました。いつもとは違う雰囲気に、子どもたちはもちろん大人もテンションが上がります。
お菓子をもらえるクイズラリーを楽しんだり、大ホールで運動したり、賑やかなプログラムとなりました。
ホールでは、汗を流すほど遊ぶ子どもも
亡くなった人のことをみんなで一緒に思う「おはなしのじかん」では、今回、メキシコの伝統文化「死者の日※」にちなんだワークショップを行いました。映画「リメンバー・ミー」を通して、死者の日についてなんとなく知っている子どもが多く、由来や内容の説明に興味深く耳を傾ける姿も見られました。
死者の日にちなんだワークシートを思い思いに描く
ワークシートのテーマは、「亡くなった人へのおもてなし」。人柄や好物、思い出や一緒にしたいことを考えて、絵で表現したりおしゃべりしたりして過ごしました。
※「死者の日」 とは
11月1日と2日に祝われるメキシコの伝統的な風習。11月1日は子どもの魂が、2日は大人の魂が戻ってくる日とされている。亡くなった人と楽しく明るく祝うのが特徴。
あしながレインボーハウス 次回のプログラム予定
11月25日(土) ワンデイプログラム
首都圏にお住まいの遺児家庭が対象です。参加してみたい方や、話を聞いてみたい方は、本記事末尾のフォームよりお問い合わせ下さい。
東北レインボーハウス
仙台レインボーハウスでは10月9日(月・祝)に「秋プログラム」、石巻レインボーハウスで10月29日(日)に「石巻ワンデイプログラム」を開催しました。
また、10月14日(土)と15日(日)の2日間、仙台レインボーハウスで「ファシリテーター養成講座」を実施しました。
仙台レインボーハウス
今回の「秋プログラム」は、参加者が自分の都合にあわせた時間に入退館でき、来館後はやりたいことを自分で選んで過ごすという、自由な一日。
子どもたちは多目的ホールで、卓球やドッヂボール、サッカーなどたくさん体を動かして遊び、保護者は食堂に集まり、手芸やおしゃべりを楽しみました。
たっぷり体を動かした後、子どもたちも食堂に来て、水分補給をしながら休憩を取ることに。みんなが食堂に集まると、自然と、学校や日常生活の話題でおしゃべりが弾みます。
普段のプログラムでは、子どもと保護者、それぞれのプログラムの場所が分かれているので、今回のように親子のやり取りが直接見られることは多くありません。
職員にとっては、親子の関係や日常生活など、子ども目線だけではなく保護者の視点からも教えてもらえる貴重な時間になりました。
多目的ホールでドッヂボール
石巻レインボーハウス
プログラム最初の自己紹介の際、「最近、どんな1日を過ごしていますか?」と聞いてみました。参加した子どもたちは今年度、進学した子や、新たなチャレンジを始めた子たちでしたが、新しい環境や生活リズムには慣れたという回答が多くありました。中学校ではもうすぐ試験があるとのこと。そこから、授業内容や自宅での勉強時間の話題になりました。
保護者のお一人は、仕事や家事、子どもの習い事の送り迎えで「毎日時間が足りない」そうです。しかし、多忙な毎日のなか、なんとか自分のための時間を作り、亡くなったご主人が使っていた道具を使ってスポーツを始めた、というお話をしてくれました。
くつろいだ様子でおしゃべりに花を咲かせる保護者、ファシリテーター、職員
ファシリテーター養成講座(仙台レインボーハウス)
10月14日(土)と15日(日)に開催した養成講座は、8人の方が参加しました。
小学生の頃レインボーハウスのプログラムに参加していた大学生、社会人となった元あしなが奨学生、継続的にご寄付くださっているあしながさん、将来子どもの成長に関わる仕事を目指している大学生など、ご自身の体験や目標がきっかけで受講してくださいました。
講座の最後には、それぞれが思う「子どもに寄り添う大人はどんな存在?」を言葉にして共有しました。
講座中の様子
東北レインボーハウス次回の予定
11月11日(土)「ブックデー&金沢美大ワークショップ」
参加してみたい方や、話を聞いてみたい方は、本記事末尾のフォームよりお問い合わせ下さい。
神戸レインボーハウス
神戸レインボーハウスでは10月7日(土)~8日(日)に、今年度2回目となる宿泊プログラム「虹のつどい」を実施。また、10月22日(日)に日帰りプログラム「開放日」を開催しました。子どものべ16名、保護者10名が参加しました。
虹のつどいでは、開始早々に、走りまわる音、ピアノの音、ボールが跳ねる音、鳴り響くビンゴの音など、子どもたちが生み出すさまざまな“遊びの音”がレインボーハウスにあふれていました。
初日の自分の経験や気持ちを共有する時間では、「亡くなった人」「レインボーハウス」「大切な人や物」をイメージして、自分だけのブレスレット作りに挑戦。
色とりどりのビーズを見たときには歓声があがりましたが、制作中の表情は真剣そのものです。ビーズを選ぶときは、自分が大切にしている家族に似合う色を考えたり、亡くなった家族が生前によく着ていた服の色を選んだり。それぞれの想いを込めて、世界に一つだけのブレスレットを完成させました。
ファシリテーターと一緒に遊ぶ様子
みんなでBINGOゲーム
様々な想いを抱きながらブレスレットを作る
完成したブレスレットを身につける
夜、真っ暗なレインボーハウスで借り物競争。宿泊プログラムならではの遊びです。ランタンを片手に、普段遊んでいるおもちゃを探し回りました。
「それどこやっけ?」「あった!」
そんな声と同時に、笑い声が響いていました。
また、プラネタリウムに変身したレインボーホールでお菓子を食べたり、テントの中で過ごしたり、普段とは少し違ったレインボーハウスで、日常とかけ離れたひと時を過ごしました。
2日目の朝。スッキリした顔で起きてくる子、眠たそうな顔の子、いつも通りの表情の子など、子どもたちのいろいろな表情が見られました。
寝食を共にしたファシリテーターと共に、最終日も、遊びやお話を満喫しました。
プログラムの終わりは、「自分へ」「亡くなった人へ」「レインボーハウスの皆へ」という3つのメッセージを書いて、虹のタペストリーに貼りました。
時間が過ぎても書き続ける子、中々言葉が出てこない子など、自分のペースで取り組みます。出来上がったタペストリーには、みんなへの「ありがとう」が詰まっていました。
それぞれのメッセージをタペストリーへ
完成したタペストリーをファシリテーターと一緒に眺めてみる
保護者の方たちも、ブレスレット作りを通してさまざまな想いを共有し、その後はヨガでリフレッシュ。
大人同士でゆっくりとお話しする時間は、普段、頑張っている保護者の方たちの心や身体をほぐしてくれるひと時となったように思います。
神戸レインボーハウス 次回のプログラム予定
11月12日(日) 日帰りプログラム「乗馬のつどい」
参加してみたい方やお話を聞いてみたい方は、本記事末尾のフォームよりお問い合わせ下さい。
レインボーハウスへのお問い合わせ方法
活動拠点であるレインボーハウスでは、子どもたち一人ひとりのグリーフ(grief:喪失に伴う様々な反応)を支えるため、子どもたちの身体の安全はもちろん、心の安心を感じてもらう環境を大切にしています。
プログラムに参加してみたい方やレインボーハウスの活動についてお話を聞いてみたい方は、以下のフォームよりお気軽にご連絡ください。